ウコギ科の植物は、世界に約43属1650種あるとされています。
観葉植物として栽培されるアイビー(キヅタ)や、春の山菜として若芽を食用にするタラノキがこの科の植物です。
もともとウコギ科とセリ科は近縁と考えられていましたが、分子系統解析の結果を受けた新分類により、セリ科からチドメグサ属がこちらに移ってきました。
チドメグサ属
オオチドメ
セリ目ウコギ科チドメグサ亜科チドメグサ属オオチドメ
高さ5~20cmの多年草で、花期は6~8月です。
野山のやや湿った日の当たる場所に、茎を伸ばして群生します。
葉は長い柄があって互生し、葉身は径1.5~3cmの円形です。光沢があり、縁には波形の浅い鋸歯があります。
花は葉腋から出る長い柄の上に、10個ほどまとまってつきます。
花弁は5枚、雄しべは5本あります。雌しべの柱頭は2個あります。
タラノキ属
ウド
セリ目ウコギ科ウコギ亜科タラノキ属ウド
高さ1~2mの多年草で、花期は7月下旬~9月上旬です。
山地の日当たりの良い場所に生えます。
葉は2回羽状複葉で、小葉は長さ5~15cmの楕円形~卵形で、先が尖り鋸歯があります。
茎頂に球形の散形花序が多数つき、分枝して円錐状になります。雄花の花序は枝の途中につき小さいです。
雌花の花序は枝先につき、径3~5mmです。花弁が5枚、雄しべが5本あります。
茎の芯が空であることから、「うつろ」が変化してウドという名前がついたとされています。
タラノキ
セリ目ウコギ科ウコギ亜科タラノキ属タラノキ
日当たりの良い場所に生える落葉樹で、高さ4mほどになります。
枝や幹に刺があります。
葉は2回羽状複葉で、長さ50~100cmです。互生して枝先に集まり、小葉は5~9で鋸歯があります。
花は黄白色で径3mmほど、8月に開花します。
山菜として若芽を食用にします。
トチバニンジン属
トチバニンジン
セリ目ウコギ科ウコギ亜科トチバニンジン属トチバニンジン
高さ50~80cmの多年草で、花期は6~8月です。
低地~低山の林内に生えます。
茎は直立し、長い柄をもつ掌状複葉を3~5個輪生します。小葉は3~7枚で、二重の鋸歯があり先が尖ります。
花は球形の散形花序につき、径3mmほどです。花弁、がく片、雄しべが各5個あります。
果実は球形で赤く熟します。
ハリギリ属
ハリギリ(センノキ)
セリ目ウコギ科ウコギ亜科ハリギリ属ハリギリ
山地に生える落葉樹で、高さ20mほどになります。
葉は枝先に集まって互生し、葉身は径10~30cmで5~9裂し鋸歯があります。
花は淡黄緑色で径5mmほど、7~8月に開花します。総状の散形花序に多数つきます。
枝や若い幹に刺があります。