ブナ科の植物は、世界に8属約900種あるとされています。
ブナ科はブナ属のみからなるブナ亜科と、残り7属からなるコナラ亜科に分かれます。
日本に自生するブナ科植物は、ブナ属、クリ属、シイ属、マテバジイ属、コナラ属の5属約30種になります。
北海道に自生するのは、ブナ属のブナ、クリ属のクリ、コナラ属のコナラ・ミズナラ・カシワの3属5種になります。
いづれも木本植物で風媒花なので、地味な花が多いです。
ブナ属
ブナ
ブナ目ブナ科ブナ亜科ブナ属ブナ
山地の肥沃な所に生える落葉樹で、高さ20~30mになります。
ブナは雌雄異花です。
雄花序は褐色で、6~15個の花が集まり下垂します。
1個の花は紡錘形の花被と10~12本の雄しべからなり、花被は白色の長い毛で覆われています。
雌花序は黄緑色で、2個の花が上向きにつきます。
1個の花に、赤い柱頭が6個あります。
5月の開葉と同時に花も開花します。
同じ枝先につく花の中では自家受粉を避けるため、雌花が先に成熟し、雄花は後から成熟するそうです。
下の写真はブナの芽吹きです。毛に覆われた雄花の蕾が見えます
ブナの果実
ブナの樹皮は灰白色で平滑ですが、地衣類がつくため斑紋ができます。
奥尻島の変形したブナ
ブナ材の木目
クリ属
クリ
ブナ目ブナ科コナラ亜科クリ属クリ
山野に生える落葉樹で、高さ15~20mほどになります。
クリは北海道にもともと自生する種では無く、縄文時代に人によって道内にもたらされたようです。
花は7月に開花します。
雄花序は淡黄白色で、尾状になります。
雌花序は淡緑色で、尾状花序の基部に付きます。
果実は球状で総苞にトゲが密生し、10月頃に成熟します。
クリの葉
クリの冬芽
クリの枝
コナラ属
コナラ
ブナ目ブナ科コナラ亜科コナラ属コナラ
ミズナラ
ブナ目ブナ科コナラ亜科コナラ属ミズナラ
山地から海岸まで生える落葉樹で、高さ30mになります。
花は雌雄異花で、5~6月に開花します。
雄花序は黄緑色で尾状、長さ6~8cmで新枝の下部に下垂します。
雌花序は黄緑色で、新枝の上部の葉腋に1~3個つきます。