ガマズミ科の植物は、世界に4属200~230種あるとされています。
ガマズミ科は、近年の分子系統解析の結果できた新しい科です。
旧分類でスイカズラ科に属していた木本植物と、レンプクソウ科として独立していた草本植物が遺伝的に近縁であることが明らかになり、ガマズミ科ができました。
レンプクソウ属
レンプクソウ
マツムシソウ目ガマズミ科レンプクソウ亜科レンプクソウ属レンプクソウ
高さ8~15cmの軟弱な多年草で、花期は4~5月です。
湿った林内に生えます。
根出葉は2回3出複葉で、茎には3出複葉が対生します。
花は茎頂に5個集まってつきます。柄が無く、先端に花冠が4裂する花が上向きに、その下に花冠が5深裂する花が横向きにつきます。
根がフクジュソウと連なっていると見えたことから、レンプクソウと名付けられたそうです。
ニワトコ属
エゾニワトコ
マツムシソウ目ガマズミ科レンプクソウ亜科ニワトコ属エゾニワトコ
高さ2~5mの落葉低木で、花期は5~6月です。
低地~山地の日の当たる場所に生えます。
葉は奇数羽状複葉で、長さ15~30cmです。小葉は5~7枚あり、長さ10cm前後です。縁には鋸歯があり、先は尖ります。
花は集散状に多数つきます。花冠は5深裂し、径5mmほどです。裂片は反り返ります。
果実は径4mmほどの球形で、赤く熟します。
ガマズミ属
ガマズミ
マツムシソウ目ガマズミ科ガマズミ亜科ガマズミ属ガマズミ
高さ2~4mの落葉低木で、花期は6~7月です。
北海道では道央以南に分布し、山地の日当たりの良い場所に生えます。
全体に粗い毛が密生します。
葉は対生し、広卵形で長さ10cm前後です。やや厚く、裏面には腺点と星状毛が密生します。
花は散房状につき、花冠の先は5裂して径5mmほどです。
5本の雄しべが花冠から突き出ます。
果実は先が尖り気味の卵形で赤く熟します。
白いカビが生えたように見える実は、ガマズミミケフシタマバエに寄生され虫こぶができたものです。
ミヤマガマズミ
マツムシソウ目ガマズミ科ガマズミ亜科ガマズミ属ミヤマガマズミ
高さ2~4mになる落葉樹で、花期は5月下旬~6月です。
葉は対生し、広倒卵形~倒卵形で長さ7~14cm、先は短く尾状になります。
葉の縁には鋸歯があります。ガマズミの葉の鋸歯よりも鋭いです。
若い枝と葉柄は赤みをおび、葉柄には長毛が散生します。
花冠は径6~8mmで5裂します。
雄しべは5本あり、花冠から突き出ます。
果実は8月下旬から9月中旬にかけて赤く色づきます。
オオカメノキ(ムシカリ)
マツムシソウ目ガマズミ科ガマズミ亜科ガマズミ属オオカメノキ
高さ2~4mになる落葉低木で、花期は5~6月です。
山地の明るい場所に生え、枝を横に広げるようにして伸ばします。
葉は円形で先が尖り、基部は心形で脈が目立ちます。
枝先に花序を作り、中心部の両性花群を径6cmほどの白い飾り花が囲みます。
果実は楕円形で、長さ8mmほどです。初めは赤く10月に黒く熟します。
冬芽は裸芽で対生します。葉芽は紡錘形で、花芽は球形です。
カンボク
マツムシソウ目ガマズミ科ガマズミ亜科ガマズミ属カンボク
高さ5mほどになる落葉低木で、花期は6~7月です。
山地の日当たりの良い場所に生えます。
葉は対生し、広卵形で長さ10cmほどです。大きく3つに裂け、不揃いな鋸歯があり、葉柄の先には蜜腺があります。
花は散房状に多数つき、径4mmほどの両性花群を径2~3cmの飾り花が囲みます。
両性花の花冠は5裂します。
果実はほぼ球形で、9月に赤く熟します。