グミ科の植物は、世界に3属40~55種あるとされています。
日本に自生するグミ科植物は、グミ属のものだけになり、20種ほどになります。
北海道に自生するのは、グミ属のアキグミとトウグミ(ナツグミの変種)の2種です。
アキグミは北海道西部に、トウグミは南部(渡島半島)に分布します。
果実が熟す時期がアキグミは秋(9~10月)、トウグミは夏(7~8月)になります。開花時期は観察したところトウグミの方が2週間ほど早いようです。
グミ属
アキグミ
バラ目グミ科グミ属アキグミ
山野に生える落葉樹で、高さ2~3mです。
花期は6月で、低地~低山の林縁や原野に生えます。
葉は互生し、長楕円状披針形で長さ4~8cm、鋸歯は無く全縁です。
裏面には銀白色の鱗片が密生します。
花は径6mmほどでトウグミより小さく、葉腋に1~7個まとまってつきます。
花弁は無く、筒状のがく片の先が4裂しています。
果実は球形で径6mmほど、9~10月に赤く熟します。
トウグミ
バラ目グミ科グミ属トウグミ
山野に生える落葉樹で、高さ3~5mです。
よく似た樹木ナツグミの変種で、北海道では道南地方にのみ分布します。
花は淡黄色で径6~8mm、5~6月に開花します。1~3個の花がまとまってつきます。
花弁は無く、筒状のがく片の先が4裂しています。
葉は長楕円形で、表面に星状毛が生えますが早く落ちます。(これに対してナツグミは、表面に鱗状毛が生えます。)
葉の裏面には銀色と褐色の鱗片があります。
果実は広楕円形で長さ12~17mmです。7~8月に赤く熟します。