落葉広葉樹の林床に雪解けと共に現れ、樹木が芽を出し始めると消えてしまう…スプリング・エフィラメル(春の儚い命)と呼ばれる花々を紹介します。
フクジュソウ
雪が溶けると真っ先に花を咲かせるのはフクジュソウ(キンポウゲ科)です。
フクジュソウが開花するのは、花粉を媒介する昆虫も現れ始める時期です。
キクザキイチゲ
フクジュソウに続いて同じキンポウゲ科のキクザキイチゲが咲きます。
花をめいっぱい広げて光を浴びる姿は、フクジュソウと同じです。
キンポウゲ科の花ですが、確かにキクのようにも見えます。
花弁に見える白い花びらのようなものは、がく片だということです。
群落を作って咲いていることが多い花です。
たまにカタクリも一緒に咲いています。
カタクリ
キクザキイチゲとほぼ同時期咲くのは、カタクリ(ユリ科)です。
カタクリは下向きに咲く花です。下向きの花を得意とするハナバチの来訪を待っているのでしょう。
咲きかけの花もかわいいですね。
群落を作って咲きます。
こちらはつぼみです。
カタクリは種子が発芽してから開花するのに、平均8年かかるそうです。
白い個体も見つけました。
白いカタクリが出現する確率は数万分の1といわれており、見つけられたらすごくラッキーです。
エゾエンゴサク
エゾエンゴサク(ケシ科)はカタクリとほぼ同時期、少し湿った場所に咲く花です。
エゾエンゴサクの名前は、北海道(蝦夷)に生えることと、地中の塊茎が漢方薬の「延胡索」に似ていることから付けられたそうです。
沢の近くなど、湿った場所でよく見かける花です。
白色や紫色の個体もあります。
色の変異が多い花です。
エンレイソウの仲間
エンレイソウ
エンレイソウ(シュロソウ科)はエゾエンゴサクよりも少し後に咲く花です。
輪生する3枚の葉が特徴です。
ミヤマエンレイソウ
こちらのミヤマエンレイソウは5月下旬、北海道真狩村にて撮影しました。
エンレイソウとほぼ同時期に咲く花ですが、羊蹄山のある真狩村は積雪量が多く花の開花が遅れるようです。
オオバナノエンレイソウと比べて、白い花弁の先が尖っているのが特徴です。
横を向いて咲いていることが多いです。
オオバナノエンレイソウ
オオバナノエンレイソウもエンレイソウとほぼ同時期に開花します。
こちらの写真は4月下旬、北海道せたな町にて撮影しました。スマホカメラで撮影したので少し画像が悪いです。
ミヤマエンレイソウと比べて、花弁が太くてふっくらした印象のエンレイソウです。
群落を作って咲いていました。