ヒユ科の植物は、世界に約170属2200種ほどあるとされています。
最新のDNA分析による分類(APG)により、かつてはアカザ科独立していた植物がヒユ科とされ、ヒユ科は以前の3倍ほどの種を含む大きな科となりました。
観賞用に栽培されるケイトウや、食用とされるホウレンソウ(旧アカザ科)はヒユ科植物です。
日本に自生するヒユ科植物は、7属20種ほどになります。
北海道には能取湖の大群落が有名なアッケシソウ(サンゴソウ)を始め、4属6種ほどが自生します。
ヒユ科植物はほとんどが風媒花で、目立たない花を咲かせます。
イノコズチ属
ヒナタノイノコズチ
ナデシコ目ヒユ科イノコズチ属ヒナタノイノコズチ
高さ50~100cmの多年草で、花期は8~9月です。
陽当たりの良い場所に生えます。
葉は対生し、広楕円形で長さ10~15cmです。
花は穂状につき、黄緑色で目立ちません。
花被片(がく片)と雄しべは各5個あります。
アカザ属
アカザ
ナデシコ目ヒユ科アカザ属アカザ
高さ50~150cmになる大型の1年草で、花期は8~9月です。
道端や空き地に生えます。
古い時代に中国から渡来したといわれています。
葉は長い柄があり、互生します。
葉身は長さ3~6cmの三角状卵形で、基部は広いくさび型です。
花は短い穂に密につき、径2mmほどです。
白い粉状の毛に被われ、花被片(がく片)と雄しべは5個あります。
花弁はありません。
若い葉の基部周辺には、赤い粉粒が密につきます。
この赤い部分がアカザの名前の由来となったようです。