カタバミ科の植物は、世界に約5属570種あるとされています。
このうち日本に自生するのはカタバミ属のものだけで、11種ほどです。
なお栽培種が野生化した帰化種まで含めると、20種くらいあるようです。
北海道に自生するのは、カタバミ、アカカタバミ、ウスアカカタバミ、エゾノタチカタバミ、コミヤマカタバミ、ヒョウノセンカタバミになります。
カタバミ属
カタバミ
カタバミ目カタバミ科カタバミ属カタバミ
茎が地面を這って長さ30cm位になる多年草です。
空き地や道端など明るく開けた場所に生えます。
花期は6~9月で、花の径は1cmほどです。
花弁は5枚、雄しべは10本、雌しべは1本、花柱は5個あります。
このスーパーマクロで撮影した写真で見ると、10本の雄しべのうち5本が長く5本が短いようです。
葉は心形の3小葉に分かれ、夜や天気の悪い日は閉じます。
葉の先が凹んでいて、何かに食べられたように見えることからカタバミの名前がついたとされています。
果実は熟すと種子を弾き飛ばします。
ヒョウノセンカタバミ
カタバミ目カタバミ科カタバミ属ヒョウノセンカタバミ
高さ5~10cmの多年草で、花期は5~6月です。
北海道では道南部にのみ分布します。
山地~亜高山の林内に生える、白いカタバミです。
花弁は5枚で、径1.5cmほどです。
白色に薄紅色の筋が入ります。
雄しべは10本、雌しべは1本、花柱は5個あります。
ヒョウノセンとは氷ノ山、兵庫県と鳥取県の県境にある山の名前です。
ここで発見されたことから、ヒョウノセンカタバミの名前がついたそうです。
夜や天気の悪い日には葉は折りたたまれ、花もしぼみます。
近似種のコミヤマカタバミよりは大型で、長楕円形の果実をつけるのが特徴です。
ヒョウノセンカタバミは、奥尻島に数多く分布しているそうです。
これらの写真は奥尻町で撮影したもので、葉も大型だったためとりあえずヒョウノセンカタバミと判断しましたが、果実までは確認していないのでもしかしたらコミヤマカタバミかもしれません。