キキョウ科の植物は、世界に約90属2400種あるとされています。
日本には9属が分布し、道内には6属10種ほどが自生しています。
花は合弁花で先が5裂し、雄しべが5本あります。
ツリガネニンジン属
ツリガネニンジン
キク目キキョウ科ツリガネニンジン属ツリガネニンジン
高さ40~100cmの変異が多い多年草で、花期は7月中旬~9月です。
低地~山地の草原など明るい場所に生えます。
葉は4~5枚ずつ輪生し、葉身は長楕円形で縁には鋸歯があります。
花も数段輪生し、花冠は長さ2cmほどの鐘形で先が5裂します。
雄しべは5本、雌しべは1本あります。雌しべの柱頭は3裂します。
がく片も5裂し、糸状線形です。
花の形が釣り鐘状で、根が朝鮮人参に似ていることから、ツリガネニンジンの名前がつきました、
変種 ハクサンシャジン
ツリガネニンジンの高山型の変種で、花序が短く背も低い(30~60cm)です。ツリガネニンジンとの中間型もあります。
品種 シラゲシャジン
ツリガネニンジンの品種で、全体に毛が密生して白く見えるものです。
モイワシャジン
キク目キキョウ科ツリガネニンジン属モイワシャジン
高さ30~90cmの多年草で、花期は7月中旬~9月です。
山地~高山の岩場やその周辺に生えます。
葉は互生または対生、時に輪生します。葉身は長さ2~8cmの披針形~卵形で縁には鋸歯があります。
花は輪生せず総状につき、花冠は鐘形で先が5裂します。がく裂片は披針形です。
モイワは札幌にある藻岩山から、シャジンはツリガネニンジンの漢名・沙参に由来します。
ホタルブクロ属
イワギキョウ
キク目キキョウ科ホタルブクロ属イワギキョウ
高さ4~10cmの多年草で、花期は7~9月です。
高山の岩場やれき地、草地に生えます。
葉は根元に集まり、葉身は長さ2~5cmのへら形です。つやは無く、縁には突起状の鋸歯があります。
茎葉は数個つき、小さく細いです。
花は上から横向きにつき、花冠は長さ2~2.5cmです。先が5裂し、裂片に毛はありません。
がく裂片は線形です。
ミゾカクシ属
サワギキョウ
キク目キキョウ科ミゾカクシ属サワギキョウ
高さ50~100cmの多年草で、花期は8~9月です。野山の水辺や湿地に生えます。
花は下から上に向かって咲き上がります。
葉は密に互生し、線状楕円形で、長さ4~7cmです。柄は無く、縁には細かい鋸歯があります。
花冠は長さ2.5~3cmで5裂します。
裂片の縁には白毛があります。
がくも5裂します。
タニギキョウ属
タニギキョウ
キク目キキョウ科タニギキョウ属タニギキョウ
高さ10cmほどの軟弱な多年草で、花期は5月中旬~8月です。
低地~ハイマツ帯の湿った樹林下に生えます。
葉は広卵形で、表面は緑色、裏面は紫色をおびます。縁には浅い鋸歯があります。
花は茎頂から出す長い柄にふつう1個つきます。
花冠は5裂し、径8mm前後です。
雄しべは5本、雌しべは1本あり、雌しべの花柱は3裂します。