キク類キク目キキョウ科の植物

キク目

キキョウ科の植物は、世界に約90属2400種あるとされています。

日本には9属が分布し、道内には6属10種ほどが自生しています。

花は合弁花で先が5裂し、雄しべが5本あります。

ツリガネニンジン属

ツリガネニンジン

キク目キキョウ科ツリガネニンジン属ツリガネニンジン

高さ40~100cmの変異が多い多年草で、花期は7月中旬~9月です。

低地~山地の草原など明るい場所に生えます。

ツリガネニンジン
7月20日 奥尻町
ツリガネニンジン
7月21日 函館山

葉は4~5枚ずつ輪生し、葉身は長楕円形で縁には鋸歯があります。

ツリガネニンジンの葉
7月21日 函館山
ツリガネニンジンの葉
8月25日 江差町

花も数段輪生し、花冠は長さ2cmほどの鐘形で先が5裂します。

ツリガネニンジンの花
8月12日 礼文町

雄しべは5本、雌しべは1本あります。雌しべの柱頭は3裂します。

ツリガネニンジンの花アップ
7月20日 奥尻町

がく片も5裂し、糸状線形です。

ツリガネニンジンのがく
8月23日 江差町

花の形が釣り鐘状で、根が朝鮮人参に似ていることから、ツリガネニンジンの名前がつきました、

変種 ハクサンシャジン

ツリガネニンジンの高山型の変種で、花序が短く背も低い(30~60cm)です。ツリガネニンジンとの中間型もあります。

ハクサンシャジン
8月12日 礼文町
ハクサンシャジンの葉
8月12日 礼文町

品種 シラゲシャジン

ツリガネニンジンの品種で、全体に毛が密生して白く見えるものです。

シラゲシャジンの花
7月26日 奥尻町

モイワシャジン

キク目キキョウ科ツリガネニンジン属モイワシャジン

高さ30~90cmの多年草で、花期は7月中旬~9月です。

山地~高山の岩場やその周辺に生えます。

モイワシャジン
8月12日 アポイ岳

葉は互生または対生、時に輪生します。葉身は長さ2~8cmの披針形~卵形で縁には鋸歯があります。

モイワシャジンの葉
8月12日 アポイ岳

花は輪生せず総状につき、花冠は鐘形で先が5裂します。がく裂片は披針形です。

モイワシャジンのがく
8月12日 アポイ岳

モイワは札幌にある藻岩山から、シャジンはツリガネニンジンの漢名・沙参に由来します。

ホタルブクロ属

イワギキョウ

キク目キキョウ科ホタルブクロ属イワギキョウ

高さ4~10cmの多年草で、花期は7~9月です。

高山の岩場やれき地、草地に生えます。

イワギキョウ
8月17日 大雪山赤岳

葉は根元に集まり、葉身は長さ2~5cmのへら形です。つやは無く、縁には突起状の鋸歯があります。

茎葉は数個つき、小さく細いです。

イワギキョウ
8月17日 大雪山赤岳

花は上から横向きにつき、花冠は長さ2~2.5cmです。先が5裂し、裂片に毛はありません。

がく裂片は線形です。

イワギキョウの花
8月17日 大雪山赤岳

ミゾカクシ属

サワギキョウ

キク目キキョウ科ミゾカクシ属サワギキョウ

高さ50~100cmの多年草で、花期は8~9月です。

野山の水辺や湿地に生えます。

サワギキョウ
8月9日 神仙沼湿原

花は下から上に向かって咲き上がります。

サワギキョウ
8月13日 利尻町姫沼

葉は密に互生し、線状楕円形で、長さ4~7cmです。柄は無く、縁には細かい鋸歯があります。

サワギキョウの葉
8月13日 利尻町姫沼

花冠は長さ2.5~3cmで5裂し、裂片の縁には白毛があります。

サワギキョウの花
8月13日 利尻町姫沼

タニギキョウ属

タニギキョウ

キク目キキョウ科タニギキョウ属タニギキョウ

高さ10cmほどの軟弱な多年草で、花期は5月中旬~8月です。

低地~ハイマツ帯の湿った樹林下に生えます。

タニギキョウ
6月2日 奥尻町

葉は広卵形で、表面は緑色、裏面は紫色をおびます。縁には浅い鋸歯があります。

タニギキョウの葉
6月28日 奥尻町

花は茎頂から出す長い柄にふつう1個つきます。

タニギキョウ
6月11日 厚沢部町

花冠は5裂し、径8mm前後です。

雄しべは5本、雌しべは1本あり、雌しべの花柱は3裂します。

タニギキョウの花
6月28日 奥尻町
タニギキョウのがく
6月2日 奥尻町
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