ムクロジ科の植物は、世界に141属約1900種あるとされています。
熱帯~亜熱帯~温帯と暖かい場所に分布しています。
日本に自生するのは、カエデ属、トチノキ属、アカギモドキ属、ハウチワノキ属、モクゲンジ属、ムクロジ属のものです。
北海道にはカエデ属とトチノキ属のみが自生します。
ムクロジ科は4亜科に分かれますが、カエデ属とトチノキ属は共にトチノキ亜科に分類されます。
カエデ属
カエデ属の植物はかつてはカエデ科という1つの科を構成していましたが、近年のDNA解析による新分類(APG)によってムクロジ科に統合され、カエデ科は消滅しました。
イタヤカエデ
ムクロジ目ムクロジ科トチノキ亜科カエデ属イタヤカエデ
高さ20mほどになる落葉樹で、平地~山地に生えます。
花は5月に開花し、径6mmくらいです。
雌雄同株ですが雄花と両性花があります。
花弁とがく片が各5枚あり、花弁が10枚あるように見えます。
果実は翼果で、9~10月に成熟します。
葉が板屋根のように密に生えていることから、イタヤカエデの名前がついたそうです。
ハウチワカエデ
ムクロジ目ムクロジ科トチノキ亜科カエデ属ハウチワカエデ
高さ12mほどになる落葉樹で、山地に生えます。
花は4月下旬~5月に開花します。
雌雄同株ですが、花には雄花と両性花があります。
花弁とがく片は各5枚あります。花弁は薄紅色、がく片は暗紅色で、がく片の方が目立ちます。
雄花と両性花は1つの株に混在し、雄しべが長く突き出しているのは雄花です。
雄しべは通常8本あります。
先端が2裂した薄紅色の雌しべと、毛の生えたプロペラ型の子房が見えるのが両性花です。
果実には翼があり、初めは有毛ですが後に無毛になります。
葉は秋に赤く紅葉しますが、5月に開葉したばかりの葉も赤みを帯びています。
ミネカエデ
ムクロジ目ムクロジ科トチノキ亜科カエデ属ミネヤカエデ
亜高山に生える落葉樹で、高さ3mくらいになります。
雌雄異株ですが、同株の個体もあるそうです
花には雄花と両性花があり、6~7月に開花します。
径8~10mm位で、花弁とがく片が各5枚、雄しべは8本あります。
オガラバナ
ムクロジ目ムクロジ科トチノキ亜科カエデ属オガラバナ
山地から亜高山に生える落葉樹で、高さ3~8mになります。
葉は長さ7~14cmで掌状に5~7に浅~中裂します。縁には重鋸歯があり、先が尖ります。
花は6~7月に開花し、直立した花序に花を密につけます。
雌雄同株で雄花と両性花があり、花弁とがく片が各5枚あります。
果実は翼果で長さ1.5~2cmです。9~10月に成熟します。
トチノキ属
トチノキ
ムクロジ目ムクロジ科トチノキ亜科トチノキ属トチノキ
高さ20~25mになる落葉樹です。道内は南西部以南に自生します。
山地の沢沿いなど適度に湿気のある肥沃な土地に生えます。
葉は長さ20~40cmの掌状複葉で、小葉は5~7枚あります。対生します。
花期は5~6月で、長さ15~20cmの円錐花序をつけます。
花序の上部に雄花、下部に両性花をつけます。
花弁は4枚で白色、基部は咲き始めは黄色ですがやがて淡紅色に変化します。
雄しべは7個、雌しべは1個あります。
果実は球形で径約4cmです。10月に成熟します。