ムラサキ科の植物は、世界に約135属2500種あるとされています。
科名となったムラサキは北海道にも自生する日本固有種で、その花は白いですが根は紫色の染料として用いられていました。
参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか
キダチルリソウ属
スナビキソウ
ムラサキ目ムラサキ科キダチルリソウ属
茎の長さが20~40cmになる多年草で、花期は6~7月です。茎の下部が地面を這い、上部は斜上します。
海岸の砂地に生えます。


花冠は5裂し、径1cmほどで雄しべは5本です。
花冠の外側には毛が生えます。

葉は厚く、へら形で長さ5cmほどです。先は尖らず、柄はありません。

ハマベンケイソウ属
ハマベンケイソウ
ムラサキ目ムラサキ科ハマベンケイソウ属
茎が分枝して地面を這い、長さが1mほどになる多年草で、花期は6月下旬~8月です。
海岸の砂地やれき地に生えます。

花は茎頂や枝先から垂れ下がります。
花冠は長さ1~1.3cmの筒形で、先が5裂します。雄しべは5本です。

葉は粉白色をおび肉質で、長さ3~8cmです。楕円形~卵形で鋸歯はありません。


多肉質な特徴がベンケイソウ(ベンケイソウ科)に似ていて浜に生えることから、ハマベンケイソウの名前がついたそうです。
ワスレナグサ属
エゾムラサキ
ムラサキ目ムラサキ科ワスレナグサ属
高さ20~40cmの多年草で、花期は5~7月です。山地の湿った所や沢沿いに生えます。

全体に粗い毛が多いです。

茎は直立します。

根出葉は長さ2~6cmの線状披針形です。茎葉は長さ2~4cmの長楕円形で茎を抱きます。

花は巻いた花序を伸ばしながら咲きます。

花冠は5裂し、平開して径5~8mmです。

がくは5深裂して鉤状の毛があります。

ワスレナグサ(帰)
ムラサキ目ムラサキ科ワスレナグサ属
ヨーロッパ原産の帰化植物で、花期は5~8月です。道端や空き地に生えますが、湿地に生えることもあります。

茎は直立せず、横に這う傾向があります。


根出葉はへら形で、茎葉は長楕円形~披針形です。


花冠は5裂し、平開して径5~9mmです。

花の中心部にある黄色の突起は、全体で円形になり副花冠とよばれます。副花冠は昆虫を開口部に誘導し、その内部には1本の雌しべと5本の雄しべがあります。

ノハラムラサキ(帰)
ムラサキ目ムラサキ科ワスレナグサ属
高さ20~50cmの1~2年草で、花期は4月下旬~8月です。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や空き地に生えます。

全体に白色の軟毛があります。

葉は長楕円形です。


花は径3mmほどで、花冠は5裂し、雄しべは5本あります。



近似種のワスレナグサとは、花が小さいことで区別できます(ワスレナグサは花の径6~9mm)。

またよく似たノムラサキとは、花柄の基部の下に苞葉が無いことで区別します。
葉は花序の分岐点につきます。

ヒレハリソウ属
ヒレハリソウ(コンフリー;帰)
ムラサキ目ムラサキ科ヒレハリソウ属
高さ40~100cmの多年草で、花期は6~8月です。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や空き地に生えます。

全体に粗い毛があり、ざらつきます。
茎には顕著な翼があり、ヒレハリソウの名前の由来となりました。

花は10~20個がまとまってつきます。
花冠は長さ1.5~2cmで、中ほどにくびれがある筒形で先が5浅裂します。

葉は互生して全縁、根出葉には長い柄があります。
