キク類リンドウ目アカネ科

リンドウ目

アカネ科の植物は、世界に約600属13000種あるとされています。

コーヒー豆を採るコーヒーノキの仲間は、アカネ科の樹木です。

また着色料や漢方薬の原料として用いられてきた、クチナシ属クチナシもアカネ科の樹木になります。

アカネ科の植物の特徴は、葉が対生(または輪生)すること。花が合弁花で、花冠が4~5裂するものが多いことです。

参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか

アカネ属

アカネ

リンドウ目アカネ科アカネ属

他のものに絡みながら伸びて長さ2mほどになる多年草で、花期は8月下旬~10月です。

低地や山地に生えます。

アカネ
10月15日 函館山

下の写真のアカネは樹木に絡みながら這い登り、先の方は樹木からぶら下がるようになっていました。

長さは4m位あったかもしれません。

アカネ
10月9日 函館山
アカネ
10月15日 函館山

葉は長い柄があって4枚が輪生(一対は托葉)し、葉身は三角状長卵形で長さ3~5cmになります。

アカネの葉
10月29日 函館山

枝先や葉腋から集散花序が出て、多数の花がつきます。

アカネの花序
10月15日 函館山

花冠は4~5裂して径5mmほどです。

アカネの花
10月15日 函館山
アカネ
10月11日 函館山

果実は球形で、黒く熟します。

アカネの実
未熟な果実 10月15日 函館山

根が赤色で、茜色(オレンジ色)の染料として利用されたことから、アカネの名前がついたそうです。

オオキヌタソウ

リンドウ目アカネ科アカネ属

高さ30~60cmの多年草で、花期は6~7月です。

低地~山地の樹林下に生えます。

葉は柄があって4枚が輪生し、葉身は長さ6~10cmの三角状長卵形で先は尖ります。

6月13日 函館山

花は茎頂や葉腋から出る集散花序にややまばらにつきます。

6月13日 函館山

花冠は4~5深裂して径3~4mmです。

6月13日 函館山

ヤエムグラ属

エゾノカワラマツバ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

高さ50cm前後になる多年草で、花期は7~8月です。

山地の岩場や河原、海岸の草地などに生えます。

7月13日 江差町

花は円錐花序に多数つき、花冠の径は2~3mmです。

7月10日 江差町

花冠は4裂し、雄しべは4本、雌しべの花柱は2個あります。

7月10日 江差町
7月10日 江差町
7月18日 江差町

葉は線形で長さ2.5cmほどです。8~10枚が輪生します。

エゾノカワラマツバのつぼみ
つぼみ 6月26日 江差町
7月14日 江差町

エゾノヨツバムグラ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

高さ10~20cmの多年草で、花期は6月中旬~7月です。

亜高山の樹林下に生え、群生することが多いです。

エゾノヨツバムグラ
7月15日 神仙沼湿原

花冠は4裂し、径3mmほどです。

雄しべが4本、雌しべが1本、雌しべの花柱が2個あります。

エゾノヨツバムグラの花
7月15日 神仙沼湿原
エゾノヨツバムグラの花
7月15日 神仙沼湿原

葉は円形~広楕円形で、長さ3cm前後です。4枚が輪生状につき、3本の葉脈がはっきりしています。

エゾノヨツバムグラのつぼみと葉
7月15日 神仙沼湿原

クルマバソウ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

高さ20~40cmの多年草で、花期は5~7月です。

低地~山地の林内に群生することが多いです。

5月4日 奥尻町

花は茎頂に3出状につきます。

5月30日 奥尻町

花冠は漏斗状で先が4裂し、径4~5mmになります。

5月4日 奥尻町

葉は6~10枚が輪生(本葉が2枚で、他は托葉)します。

5月4日 奥尻町

オククルマムグラ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

高さ20~50cmの多年草で、花期は6~7月です。山地の林内に群生することが多いです。

オククルマムグラ
6月5日 江差町

葉は普通6枚が輪生(本葉が2枚で他は托葉)し、先は短く尖ります。

オククルマムグラ群生
7月18日 江差町

花冠は皿状で先が4裂し、径3mmほどになります。

オククルマムグラの花
6月5日 江差町
2025.6.2 函館山
2025.6.2 函館山

茎と葉の裏面主脈上に刺があります。(クルマバソウ、クルマムグラには無い)

オククルマムグラ
葉の裏
オククルマムグラ

クルマムグラ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

オククルマムグラの変種です。

クルマムグラ
2025.6.6 厚沢部町

葉は先端と基部に向かって次第に狭くなります。

クルマムグラ
2025.6.6 厚沢部町

茎と葉の裏面主脈上に刺は無く平滑です。

クルマムグラ
2025.6.6

キクムグラ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

茎が長いもので50cmを超える多年草で、花期は6~7月です。山地の湿った林内に生えます。

2025.6.2 函館市

葉は4~6枚が輪生状(本葉は2枚で他は托葉)につきます。

2024.6.13 函館市

茎は軟弱で小さな刺があり、他の植物に寄りかかりながら伸びることが多いです。

キクムグラの葉と茎
6月19日 函館山

花は径2mm位で、葉腋から出る長い柄に1~4個集まってつきます。

2025.6.2 函館市
2025.6.2 函館山
6月13日 函館市

花冠は4裂し、雄しべは4本、雌しべは1本あります。

5月28日 函館山

ホソバノヨツバムグラ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

茎の長さ15~40cmになる多年草で、花期は6~8月です。

湿原やその周辺に生えます。

ホソバノヨツバムグラ
7月9日 大沼公園
ホソバノヨツバムグラ
7月9日 大沼公園

葉は4~6枚輪生状(本葉は2枚、他は托葉)につきます。

ホソバノヨツバムグラ
7月9日 大沼公園

花冠は3裂、時に4裂し、径1.8mm前後です。雄しべは3本です。

ホソバノヨツバムグラの花
7月9日 大沼公園

オオバノヤエムグラ

リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属

長さ1m以上になる多年草で、花期は6月~8月です。山地の林縁や原野に生えます。

オオバノヤエムグラ
2025.6.9 函館市
オオバノヤエムグラ
6月13日 函館山

葉は柄が無く4~6枚輪生します。葉身は大きさが不揃いで長さ1.5~3.5cmの倒披針形です。

オオバノヤエムグラ
6月13日 函館山

葉の裏面主脈と縁に逆向きの刺があります。

オオバノヤエムグラ
2025.6.2 函館市

花は葉腋から出る長い柄を持つ花序にまばらにつきます。

オオバノヤエムグラ
6月13日 函館山

花冠は4裂(まれに5裂)して径2mmほどです。

オオバノヤエムグラ
2025.6.2 函館市
2025.6.9 函館山
オオバノヤエムグラ
2025.6.9 函館市

果実には鉤状の毛が密生します。

オオバノヤエムグラ
2025.6.9 函館市
オオバノヤエムグラ
7月11日 函館山

ツルアリドオシ属

ツルアリドオシ

リンドウ目アカネ科ツルアリドオシ属

山地の樹林下に生える常緑の多年草で、花期は7~8月です。

茎は地面を這い、節から根を出しながら伸び、マット状に広がります。

7月7日 奥尻町

花は枝先に2個セットでつき、ラッパ状で長さ1.5cmほどです。

花冠はふつう4裂、時に5裂し径8mmほどです。内側に毛が生えます。

ツルアリドオシの花
7月20日 奥尻町
ツルアリドオシの花(5裂)
7月20日 奥尻町

葉は対生し、長さ1~2cmの卵形で濃緑色、質は厚くて硬いです。

ツルアリドオシのつぼみ
つぼみ 7月2日 奥尻町

2個の花で1個の果実をつけます。

果実は球形で赤く熟し、径8mmほどです。

ツルアリドオシの実
果実 7月2日 奥尻町

冬になっても常緑の葉をつけていました。

冬のツルアリドオシ
1月5日 厚沢部町
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