キク類リンドウ目リンドウ科の植物

リンドウ目

リンドウ科の植物は世界に約100属1700種ほどあるとされ、日本にも10属約30種が自生しています。

観賞用として栽培されているリンドウやトルコギキョウ、薬効があるお茶として有名なセンブリはリンドウ科の植物です。

葉に鋸歯が無く、対生することが特徴です。

道内には、品種も含めると15種ほどのリンドウ科植物が自生しています。

ツルリンドウ属

ツルリンドウ

リンドウ目ツルリンドウ科ツルリンドウ

つる性の多年草で、花期は8~9月です。

低地~山地の林内に生えます。

ツルリンドウ
9月16日 俱知安町

茎は地面を這ったり他のものに絡んだりして、長さが40~100cmになります。

葉は対生し、三角状卵形で先が尖り全縁です。3本の葉脈が目立ちます。

ツルリンドウのつぼみとツル
8月30日 奥尻町

花冠はラッパ形で先が5裂し、径2cmほどです。

雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。

ツルリンドウの花
9月16日 俱知安町

花冠の長さは3cmほどです。

ツルリンドウの花 横から
9月16日 俱知安町

果実は長さ1.5cmほどの俵型の液果で、赤く熟します。

ツルリンドウの実
9月16日 俱知安町
ツルリンドウの実とツル
10月21日 七飯町

リンドウ属

エゾオヤマリンドウ

リンドウ目リンドウ科エゾオヤマリンドウ

エゾリンドウの高山型の品種で、亜高山~高山の日当たりの良い草地に生えます。

高さは30cmほどで、花期は9~10月です。

9月16日 俱知安町

花は茎の先端付近につき、花冠は筒状で長さ4~5cmです。

10月20日 厚沢部町

花冠の先は5裂して、日光を受けると少しだけ開きます。

雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。

つぼみ 8月18日 旭岳

葉は柄が無く対生し、葉身は披針形で長さ6~10cmです。

全縁で先が尖り、裏面は白っぽいです。

つぼみ 9月20日 厚沢部町

リンドウの根は漢方薬として利用されており、熊の胆よりも苦いことから竜の胆、竜胆と名付けられました。この竜胆(りゅうたん)がなまって、リンドウという名前になったそうです。

フデリンドウ

リンドウ目リンドウ科フデリンドウ

高さ5~10cmの2年草で、花期は5~6月です。

野山の日当たりの良い場所に生えます。

5月31日 奥尻町

葉は柄が無く対生し、葉身は肉厚です。長さ5~15mmの卵形~広卵形です。

5月31日 奥尻町

花冠は長さ2cm前後で先が5裂し、径1.5cmほどです。裂片間に小さな副片があります。

雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。

5月31日 奥尻町

ミヤマリンドウ

リンドウ目リンドウ科ミヤマリンドウ

高さ5~15cmの多年草で、花期は7~9月です。

高山の湿った草地や湿原に生えます。

ミヤマリンドウ
8月17日 大雪山赤岳

葉には柄が無く、対生します。

葉身は長さ5~12mmの広披針形~狭卵状長楕円形で、やや光沢があります。

ミヤマリンドウ
8月17日 大雪山赤岳

花冠は長さ2cm前後で、先が5裂して裂片の間には副片があります。

雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。

ミヤマリンドウの花
8月17日 大雪山赤岳

クモイリンドウ

リンドウ目リンドウ科クモイリンドウ

高さ10~25cmになる多年草で、花期は8月です。

大雪山の高山れき地や草地に生えます。

クモイリンドウ
8月17日 大雪山赤岳

無花茎に多数の葉がつき、広線形で長さ10cmほどで先はとがります。花茎の葉はより短いです。

葉は厚みと光沢があり、対生します。

クモイリンドウ
8月17日 大雪山赤岳

花は茎頂に1~5個つき、花冠の長さは5cmほどです。

花冠の先は5裂して、外側に濃緑色の筋と模様があります。

本州の高山に生えるトウヤクリンドウの品種とされています。

ハナイカリ属

ハナイカリ

リンドウ目リンドウ科ハナイカリ属ハナイカリ

高さ10~35cmの2年草で、花期は8~9月です。

海岸~山地の草地や原野に生えます。

ハナイカリ
8月12日 礼文町

葉はほとんど柄が無く対生し、葉身は長さ2~6cmの楕円形です。鋸歯は無く先は尖り、3脈が目立ちます。

ハナイカリ
8月12日 礼文町

花は葉腋から出た柄につきます。

花冠は先が4深裂し、裂片の下部が長く伸びて距となって四方に突出します。

がくは4裂し、雄しべは4本、雌しべは1本です。

ハナイカリの花
8月12日 礼文町

花の姿が船の碇のようなので、イカリソウの名前がつきました。

センブリ属

チシマセンブリ

リンドウ目リンドウ科センブリ属チシマセンブリ

高さ10~30cmの2年草で、花期は8~9月です。

海岸~山地の草地や蛇紋岩地帯に生えます。

チシマセンブリ
8月12日 アポイ岳

葉は柄が無く対生し、葉身は三角状披針形で長さ2~3.5cmです。

チシマセンブリ
8月12日 アポイ岳

花は茎頂や上部の葉腋につき、花冠は花弁状に4深裂して径1cmほどです。

チシマセンブリ
8月12日 アポイ岳

花冠の裂片には濃色の斑点があり、中央に長楕円形の蜜腺の溝があります。

雄しべは4本、雌しべは1本です。

チシマセンブリの花
8月12日 アポイ岳

背が低く蜜腺溝が短い型を、亜種タカネセンブリとして分ける見解もあります。

タカネセンブリ?
タカネセンブリ? 8月12日 アポイ岳
タイトルとURLをコピーしました