アカネ科の植物は、世界に約600属13000種あるとされています。
コーヒー豆を採るコーヒーノキの仲間は、アカネ科の樹木です。
また着色料や漢方薬の原料として用いられてきた、クチナシ属クチナシもアカネ科の樹木になります。
アカネ科の植物の特徴は、葉が対生(または輪生)すること。花が合弁花で、花冠が4~5裂するものが多いことです。
アカネ属
アカネ
リンドウ目アカネ科アカネ属アカネ
他のものに絡みながら伸びて長さ2mほどになる多年草で、花期は8月下旬~10月です。
低地や山地に生えます。
下の写真のアカネは樹木に絡みながら這い登り、先の方は樹木からぶら下がるようになっていました。
長さは4m位あったかもしれません。
葉は長い柄があって4枚が輪生(一対は托葉)し、葉身は三角状長卵形で長さ3~5cmになります。
枝先や葉腋から集散花序が出て、多数の花がつきます。
花冠は4~5裂して径5mmほどです。
果実は球形で、黒く熟します。
根が赤色で、茜色(オレンジ色)の染料として利用されたことから、アカネの名前がついたそうです。
ヤエムグラ属
エゾノカワラマツバ
リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属エゾノカワラマツバ
高さ50cm前後になる多年草で、花期は7~8月です。
山地の岩場や河原、海岸の草地などに生えます。
花は円錐花序に多数つき、花冠の径は2~3mmです。
花冠は4裂し、雄しべは4本、雌しべの花柱は2個あります。
葉は線形で長さ2.5cmほどです。8~10枚が輪生します。
エゾノヨツバムグラ
リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属エゾノヨツバムグラ
高さ10~20cmの多年草で、花期は6月中旬~7月です。
亜高山の樹林下に生え、群生することが多いです。
花冠は4裂し、径3mmほどです。
雄しべが4本、雌しべが1本、雌しべの花柱が2個あります。
葉は円形~広楕円形で、長さ3cm前後です。4枚が輪生状につき、3本の葉脈がはっきりしています。
クルマバソウ
リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属クルマバソウ
高さ20~40cmの多年草で、花期は5~7月です。
低地~山地の林内に群生することが多いです。
花は茎頂に3出状につきます。
花冠は漏斗状で先が4裂し、径4~5mmになります。
葉は6~10枚が輪生(本葉が2枚で、他は托葉)します。
オククルマムグラ
リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属オククルマムグラ
高さ20~50cmの多年草で、花期は6~7月です。
山地の林内に群生することが多いです。
葉は普通6枚が輪生(本葉が2枚で他は托葉)し、先は短く尖ります。
花冠は皿状で先が4裂し、径3mmほどになります。
キクムグラ
リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属キクムグラ
茎が長いもので50cmを超える多年草で、花期は6~7月です。
山地の湿った林内に生えます。
葉は4~6枚が輪生状(本葉は2枚で他は托葉)につきます。
茎は軟弱で小さな刺があり、他の植物に寄りかかりながら伸びることが多いです。
花は葉腋からでる長い柄に1~4個集まってつき、基部に1枚の托葉がつきます。
ホソバノヨツバムグラ
リンドウ目アカネ科ヤエムグラ属ホソバノヨツバムグラ
茎の長さ15~40cmになる多年草で、花期は6~8月です。
湿原やその周辺に生えます。
葉は4~6枚輪生状(本葉は2枚、他は托葉)につきます。
花冠は3裂、時に4裂し、径1.8mm前後です。雄しべは3本です。
ツルアリドオシ属
ツルアリドオシ
リンドウ目アカネ科ツルアリドオシ属ツルアリドオシ
山地の樹林下に生える常緑の多年草で、花期は7~8月です。
茎は地面を這い、節から根を出しながら伸び、マット状に広がります。
花は枝先に2個セットでつき、ラッパ状で長さ1.5cmほどです。
花冠はふつう4裂、時に5裂し径8mmほどです。内側に毛が生えます。
葉は対生し、長さ1~2cmの卵形で濃緑色、質は厚くて硬いです。
2個の花で1個の果実をつけます。
果実は球形で赤く熟し、径8mmほどです。
冬になっても常緑の葉をつけていました。