リンドウ科の植物は世界に約100属1700種ほどあるとされ、日本にも10属約30種が自生しています。
観賞用として栽培されているリンドウやトルコギキョウ、薬効があるお茶として有名なセンブリはリンドウ科の植物です。
葉に鋸歯が無く、対生することが特徴です。
道内には、品種も含めると15種ほどのリンドウ科植物が自生しています。
ツルリンドウ属
ツルリンドウ
リンドウ目ツルリンドウ科ツルリンドウ
つる性の多年草で、花期は8~9月です。低地~山地の林内に生えます。
茎は地面を這ったり他のものに絡んだりして、長さが40~100cmになります。
葉は対生し、三角状卵形で先が尖り全縁です。3本の葉脈が目立ちます。
花冠はラッパ形で先が5裂し、径2cmほどです。雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。
花冠の長さは3cmほどです。
果実は長さ1.5cmほどの俵型の液果で、赤く熟します。
リンドウ属
エゾオヤマリンドウ
リンドウ目リンドウ科エゾオヤマリンドウ
エゾリンドウの高山型の品種で、亜高山~高山の日当たりの良い草地に生えます。
高さは30cmほどで、花期は9~10月です。
花は茎の先端付近につき、花冠は筒状で長さ4~5cmです。
花冠の先は5裂して、日光を受けると少しだけ開きます。
雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。
葉は柄が無く対生し、葉身は披針形で長さ6~10cmです。
全縁で先が尖り、裏面は白っぽいです。
リンドウの根は漢方薬として利用されており、熊の胆よりも苦いことから竜の胆、竜胆と名付けられました。この竜胆(りゅうたん)がなまって、リンドウという名前になったそうです。
フデリンドウ
リンドウ目リンドウ科フデリンドウ
高さ5~10cmの2年草で、花期は5~6月です。
野山の日当たりの良い場所に生えます。
葉は柄が無く対生し、葉身は肉厚です。長さ5~15mmの卵形~広卵形です。
花冠は長さ2cm前後で先が5裂し、径1.5cmほどです。裂片間に小さな副片があります。
雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。
ミヤマリンドウ
リンドウ目リンドウ科ミヤマリンドウ
高さ5~15cmの多年草で、花期は7~9月です。
高山の湿った草地や湿原に生えます。
葉には柄が無く、対生します。
葉身は長さ5~12mmの広披針形~狭卵状長楕円形で、やや光沢があります。
花冠は長さ2cm前後で、先が5裂して裂片の間には副片があります。
雄しべは5本、雌しべは1本で柱頭が2裂します。
クモイリンドウ
リンドウ目リンドウ科クモイリンドウ
高さ10~25cmになる多年草で、花期は8月です。
大雪山の高山れき地や草地に生えます。
無花茎に多数の葉がつき、広線形で長さ10cmほどで先はとがります。花茎の葉はより短いです。
葉は厚みと光沢があり、対生します。
花は茎頂に1~5個つき、花冠の長さは5cmほどです。
花冠の先は5裂して、外側に濃緑色の筋と模様があります。
本州の高山に生えるトウヤクリンドウの品種とされています。
ハナイカリ属
ハナイカリ
リンドウ目リンドウ科ハナイカリ属ハナイカリ
高さ10~35cmの2年草で、花期は8~9月です。
海岸~山地の草地や原野に生えます。
葉はほとんど柄が無く対生し、葉身は長さ2~6cmの楕円形です。鋸歯は無く先は尖り、3脈が目立ちます。
花は葉腋から出た柄につきます。
花冠は先が4深裂し、裂片の下部が長く伸びて距となって四方に突出します。
がくは4裂し、雄しべは4本、雌しべは1本です。
花の姿が船の碇のようなので、イカリソウの名前がつきました。
センブリ属
チシマセンブリ
リンドウ目リンドウ科センブリ属チシマセンブリ
高さ10~30cmの2年草で、花期は8~9月です。
海岸~山地の草地や蛇紋岩地帯に生えます。
葉は柄が無く対生し、葉身は三角状披針形で長さ2~3.5cmです。
花は茎頂や上部の葉腋につき、花冠は花弁状に4深裂して径1cmほどです。
花冠の裂片には濃色の斑点があり、中央に長楕円形の蜜腺の溝があります。
雄しべは4本、雌しべは1本です。
背が低く蜜腺溝が短い型を、亜種タカネセンブリとして分ける見解もあります。