アカバナ科の植物は、世界に21~22属約650種あるとされています。
日本には4属32種ほどが自生しています。
北海道には4属11種ほどが自生していますが、最もよく見かけるのは帰化植物のオオマツヨイグサやメマツヨイグサかもしれません。
参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか
アカバナ属
アカバナ
フトモモ目アカバナ科アカバナ属アカバナ
高さ20~60cmの多年草で、花期は7~9月です。

低地~山地の湿った場所に生えます。

花は径1cmほどで、花弁とがく片は4枚あります。
雌しべは8本で、そのうち4本が長く4本は短いです。
雌しべの先はこん棒状です。

葉は長さ2~6cmの卵状披針形で粗い鋸歯があり、基部はやや茎を抱きます。

アカバナの名前の由来は、花期に下方の葉が赤くなることからです。

イワアカバナ
フトモモ目アカバナ科アカバナ属イワアカバナ
高さ20~60cmの多年草で、花期は7~9月です。
山地のやや湿った場所に生えます。

葉の縁には突起状の鋸歯があります。
花は径1cmほどで花弁は4枚あり、雌しべの柱頭は頭状です。

ミズタマソウ属
ミズタマソウ
フトモモ目アカバナ科ミズタマソウ属ミズタマソウ
高さ30~70cmの多年草で、花期は8~9月です。
山地の林内や林縁に生えます。

花には反り返るがく片が2枚、2裂した花弁が2枚、雄しべが2本、雌しべが1本あります。
.jpg)
果実は球形で白い毛が密生し、これがミズタマソウの名前の由来となりました。

葉は対生し、狭卵形で先は尖ります。縁は波状縁で、基部は心形になりません。


ミヤマタニタデ
フトモモ目アカバナ科ミズタマソウ属ミヤマタニタデ
高さ5~10cmの多年草で、花期は7~8月です。
山地~亜高山の湿った林内や沢沿いに生え、地下茎を伸ばして群生します。
-1024x768.jpg)
葉は対生し三角状卵形で1~2cmの葉柄があります。
縁は粗い波状で浅くへこみ、基部は心形になります。

花には反り返るがく片2枚、2裂する小さな花弁が2枚あります。
雄しべが2本、雌しべが1本あります。

マツヨイグサ属
オオマツヨイグサ(帰)
フトモモ目アカバナ科マツヨイグサ属オオマツヨイグサ
高さ30~150cmになる2年草で、花期は7~9月です。
北アメリカ原産と言われており、日本には江戸時代に渡来した帰化植物です。
原野や道端、海岸の砂浜などに生えます。

がく片は赤みを帯びています。

花の径は5~8cmほどで、がく片と花弁は4枚あります。
雄しべは8本、雌しべは1本です。

茎には、基部が赤い剛毛が生えます。


葉の縁には波状の鋸歯があり、葉の表面は波打ってでこぼこした様子です。

-819x1024.jpg)
メマツヨイグサ(帰)
フトモモ目アカバナ科マツヨイグサ属メマツヨイグサ
高さ30~120cmの2年草で、花期は7~9月です。
北アメリカ原産の帰化植物で、道端や空き地などに生えます。

花の径は2~3cmでオオマツヨイグサより小型です。


葉は披針形で互生し、浅い鋸歯があります。
中央の葉脈が赤みを帯びることが多いです。
