バラ類キントラノオ目トウダイグサ科の植物

キントラノオ目

トウダイグサ科の植物は、世界に約210属6200~6800種あるとされています。

日本には14属43種ほどが自生しています。

北海道にはエノキグサ属のエノキグサと、トウダイグサ属の5種ほどが自生しており、全て草本植物です。

かつてトウダイグサ科に分類されていたエゾユズリハは、近年のDNA分析による新分類によってユキノシタ目ユズリハ科に異動しました。

また分析によって、あの世界最大の花を含むラフレシア科とトウダイグサ科が近縁であることもわかってきています。

参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか

トウダイグサ属 ポインセチア
トウダイグサ属 ポインセチア

トウダイグサ属

ノウルシ

キントラノオ目トウダイグサ科トウダイグサ属

高さ30~40cmになる多年草で、花期は5~6月です。

茎を切るとかぶれる乳液が出ることから、ノウルシの名前がつきました。

ノウルシ群落
6月1日 江差町

低地の湿った草地に生えます。

葉は互生し、上部で5枚が輪生します。

ノウルシの花
6月1日 江差町

小総苞の上には雄花(雄しべ)が数個と雌花(雌しべ)が1個あり、全体として一つの花のように見えます。

下の写真のピンク矢印先が雌花の花柱、水色矢印先がおしべです。

6月1日 江差町

雌しべの柱頭は3個あり、子房も3室あります。双子葉植物では珍しい3数性です。

ナツトウダイ

キントラノオ目トウダイグサ科トウダイグサ属

高さ20~50cmの多年草で、花期は5~6月です。低山の湿った明るい場所に生えます。

ナツトウダイ
5月12日 函館市

茎は直立して紫色をおび、切ると白い乳液が出ます。

葉は長楕円形で長さ3~6cm、上部では5枚が輪生し中~下部では互生します。

ナツトウダイ
5月12日 函館市

輪生する葉の基部から散形に枝を出して先に苞葉と杯状花序をつけ、そこからさらに枝を出して苞葉と花序をつけます。

ナツトウダイ
5月12日 函館市

花序には数個の雄花(雄しべ)と1個の雌花(雌しべ)、両端の角が長く立った三日月形の腺体が4個つきます。

ナツトウダイ
5月12日 函館市
マルミノウルシ
6月13日 函館市
マルミノウルシ
6月13日 函館市

ハナキリン(栽)

キントラノオ目トウダイグサ科トウダイグサ属

植物園で見かけたトウダイグサ科植物ハナキリンです。

北海道の自然の中で見かける花では無いのですが、同じトウダイグサ属のノウルシと花のつくりが似ているので、ここに写真を載せておきます。

ハナキリン
8月3日 函館市熱帯植物園

マダガスカル原産の低木で、花が美しいので観賞用に栽培されています。

この木も切ると有毒な液が出るとのことです。

ハナキリン
8月3日 函館市熱帯植物園

下の写真は同じく植物園で見かけた、トウダイグサ科ナンヨウアブラギリ属のナンヨウサクラです。

同じトウダイグサ科でも属が違うと、花の作りもだいぶ違ってきますね。

ナンヨウサクラ
ナンヨウサクラ 8月3日 函館市熱帯植物園
タイトルとURLをコピーしました