DNA分析による新分類(APG)ではワスレグサ属の植物もユリ科から独立し、キジカクシ目ワスレグサ科となりました。
ワスレグサとは別名カンゾウと呼ばれるオレンジ色の花を付ける植物ですが、広い意味ではキスゲやゼンテイカの仲間も含みます。
花が1日で終わると考えられていたためワスレグサの名前が付いたようですが、実際には2日以上咲き続ける種類も多いそうです。
ワスレグサ科の植物は、世界に約39属約1200種あるとされています。
日本に自生しているワスレグサ科の植物は、ワスレグサ属とキキョウラン属の数種のみです。
中でも北海道に自生している種は、ワスレグサ属のゼンテイカ、ヤブカンゾウ、エゾキスゲの3種になります。
ワスレグサ属
ゼンテイカ(別名エゾゼンテイカ、エゾカンゾウ)
キジカクシ目ワスレグサ科ワスレグサ属ゼンテイカ
高さ50-70cmの多年草で、花期は6-8月です。
海岸や高山の草地・湿原など明るい場所に生えます。
葉は幅1.5~2.5cm、柔らかく扁平で先が垂れます。
花は茎頂に数個付きます。
花被片は、内花被片3枚・外花被片3枚の計6枚で、花の長さは8cmほどです。
花は朝方開花して夕方閉じるとされていますが、2日間咲き続けるものも多いそうです。
ヤブカンゾウ(別名オニカンゾウ、ワスレグサ)
キジカクシ目ワスレグサ科ワスレグサ属ヤブカンゾウ
高さ1mほどになる多年草で、花期は7~8月です。
葉は根元から出て扁平で、幅3cmほどです。
花被片は6枚ですが、雄しべの一部または全部が花弁化して八重咲状になります。
雌しべは無く、結実しないで地下茎で栄養繁殖で増えます。