キク類ツツジ目ツツジ科イチヤクソウ亜科の植物

ツツジ科

ウメガサソウやイチヤクソウの仲間は、旧分類ではギンリョウソウの仲間と共にイチヤクソウ科を作っていましたが、APG分類体系ではツツジ科に含まれるようになりました。

もともとツツジ科にあったドウダンツツジの仲間が、イチヤクソウやギンリョウソウよりも早く他のツツジの仲間から分枝した群だということがわかったからです。

ツツジ科イチヤクソウ亜科の植物は、世界に4属約40種あるとされています。

日本には4属11種ほどが自生しているようです。

ウメガサソウ属

ウメガサソウ

ツツジ科イチヤクソウ亜科ウメガサソウ属ウメガサソウ

高さ5~10cmの半低木状の多年草で、花期は6月下旬~7月です。

山地の樹林下に生えます。

7月7日 奥尻町

花は茎の先に1個(まれに2個)つき、径約1cmです。

花冠とがくは5裂し、雄しべが10本、雌しべが1本あります。

花柱はほとんど無く、子房上に柱頭が乗ります。

葉は固く光沢があり、楕円形で長さ2~3cmです。

葉の先は尖り、縁には尖った鋸歯があります。

6月29日 江差町

葉は2~3枚ずつ輪生状につき、各段の間には鱗片葉が互生してつきます。

7月10日 江差町

花は下向きに咲きますが、果実が熟すにつれて上向きになります。

ウメガサソウ
7月16日 大沼公園
ウメガサソウ果実
7月22日 大沼公園
ウメガサソウ果実
7月22日 大沼公園
ウメガサソウ果実
10月30日 七飯町大沼公園

果実は径6~7mmの蒴果で、上を向いてつきます。

10月12日 七飯町大沼公園
11月27日 江差町

オオウメガサソウ

ツツジ科イチヤクソウ亜科ウメガサソウ属ウメガサソウ

高さ5~15cmの半低木状の多年草で、花期は7月です。

山地の樹林下に生え、地下茎を伸ばして群生します。

7月4日 大沼公園

1本の茎先に3~9個の花をつけ、葉は10枚ほどが輪生状につきます。

オオウメガサソウのつぼみ
6月4日 大沼公園
オオウメガサソウのつぼみ
6月11日 大沼公園
オオウメガサソウ
6月20日 大沼公園
オオウメガサソウ
6月28日 大沼公園
6月28日 大沼公園

花冠の径は1.5cmほどになります。

花冠とがく片は5裂し、雄しべは10個、雌しべは1個あります。

オオウメガサソウ
7月4日 大沼公園
オオウメガサソウ
7月4日 大沼公園
オオウメガサソウ
7月4日 大沼公園
オオウメガサソウ
7月4日 大沼公園

花は始めは下向きに咲き、果実が熟すにつれだんだんと上向きになります。

オオウメガサソウ
7月4日 大沼公園
オオウメガサソウ果実
7月16日 大沼公園
オオウメガサソウ果実
7月16日 大沼公園
オオウメガサソウ果実
7月16日 大沼公園

イチヤクソウ属

イチヤクソウ

ツツジ科イチヤクソウ亜科イチヤクソウ属イチヤクソウ

高さ15~25cmになる常緑の多年草で、花期は7月です。

山地の林内に生えます。

イチヤクソウ
7月4日 大沼公園

葉は下部に数枚集まり、楕円形~長卵形で長さ4~7cmです。

縁にはまばらに低鋸歯があり、質は厚いです。

イチヤクソウの葉
7月9日 大沼公園
イチヤクソウの葉
7月4日 大沼公園

花は茎の上部に数個~10個つきます。

つぼみ 6月28日 大沼公園

花冠は径1.2cm位で花弁状に5裂し、がく片も5裂します。雄しべは10本、雌しべは1本です。

イチヤクソウ
7月4日 大沼公園
イチヤクソウ
7月4日 大沼公園
イチヤクソウのがく片
7月4日 大沼公園
イチヤクソウ
7月9日 七飯町
イチヤクソウのがく片
7月13日 奥尻町
イチヤクソウ果実
7月22日 大沼公園
イチヤクソウ果実
7月22日 大沼公園

イチヤクソウは一薬草と書き、乾燥したものを薬として用いていたことからこの名前がついたそうです。

ヒトツバイチヤクソウ

ツツジ科イチヤクソウ亜科イチヤクソウ属ヒトツバイチヤクソウ

イチヤクソウの葉が退化した品種で、山地の林内に生えます。

高さ15~25cmになる多年草で、花期は7月です。

ヒトツバイチヤクソウ
7月4日 大沼公園
つぼみ 6月20日 大沼公園
つぼみ 6月20日 大沼公園
ヒトツバイチヤクソウ
7月4日 大沼公園
ヒトツバイチヤクソウ
7月4日 大沼公園
ヒトツバイチヤクソウ
7月19日 厚沢部町
7月16日 大沼公園
7月16日 大沼公園
ヒトツバイチヤクソウ果実
7月22日 大沼公園

茎とがくが赤紫色、花冠はピンク色でベニバナイチヤクソウに似ていますが、開花時期はベニバナイチヤクソウよりも遅いです。花が白色の個体もあるようです。

葉が1~2枚しか無く、半寄生的な植物といわれています。

ヒトツバイチヤクソウ
7月2日 奥尻町
ヒトツバイチヤクソウの葉
7月2日 奥尻町

花冠とがく片は5裂し、雄しべは10個、雌しべは1個あります。

ヒトツバイチヤクソウ
7月4日 大沼公園
ヒトツバイチヤクソウ
7月19日 厚沢部町

ジンヨウイチヤクソウ

ツツジ科イチヤクソウ亜科イチヤクソウ属ジンヨウイチヤクソウ

高さ10~15cmの常緑の多年草で、花期は6~7月です。

低地~山地の樹林下に生えます。

ジンヨウイチヤクソウ
6月4日 大沼公園

花は2~6個が茎の先にまばらにつき、径1cmほどで花冠は花弁状に5深裂します。

ジンヨウイチヤクソウ
5月24日 大沼公園
ジンヨウイチヤクソウ
5月24日 大沼公園

雄しべは10本、雌しべは1本です。花柱(雌しべ)は長く突き出て曲がります。

ジンヨウイチヤクソウ
6月4日 大沼公園

がく片も5裂し、先は尖りません

ジンヨウイチヤクソウ
6月11日 厚沢部町
6月11日 大沼公園

葉は根元に数枚集まり、腎円形で長さ1~3cmです。

基部は深い心形となって長い柄があり、葉脈に沿って白い斑が入ります。

ジンヨウイチヤクソウ
6月3日 大沼公園

葉の形が腎臓形であることから、ジンヨウイチヤクソウの名前がついたそうです。

ジンヨウイチヤクソウ
10月12日 大沼公園
ジンヨウイチヤクソウ
6月4日 大沼公園
ジンヨウイチヤクソウの果実
6月20日 大沼公園
ジンヨウイチヤクソウの果実
6月20日 大沼公園
ジンヨウイチヤクソウ
7月9日 大沼公園
7月22日 大沼公園
ジンヨウイチヤクソウ
熟した果実 10月12日 大沼公園

マルバノイチヤクソウ

ツツジ科イチヤクソウ亜科イチヤクソウ属マルバノイチヤクソウ

高さ10~15cmの常緑の多年草で、花期は7月中旬~8月上旬です。

山地の林内に生えます。

マルバノイチヤクソウ
7月29日 鹿追町

葉は円形に近く、硬く光沢があります。

マルバノイチヤクソウ葉
7月29日 鹿追町
マルバノイチヤクソウの葉
7月29日 鹿追町

花は径1cmほどで、茎の上部に3個ほどまばらにつきます。

マルバノイチヤクソウ
7月29日 鹿追町

花冠は花弁状に5深裂し、花柱は長く突き出て曲がります。

マルバノイチヤクソウ
7月29日 鹿追町

がく裂片の先は尖ります。

マルバノイチヤクソウ
7月29日 鹿追町

ベニバナイチヤクソウ

ツツジ科イチヤクソウ亜科イチヤクソウ属ベニバナイチヤクソウ

高さ10~25cmになる常緑の多年草で、花期は6~7月です。

山地の明るい林内や林縁に生え、地下茎を伸ばして群生します。

6月8日 江差町
6月13日 江差町

花は総状に多数つき、花冠は径12~15mmです。

花冠とがくは5裂し、雄しべが10本、雌しべが1本あります。

6月8日 江差町

花柱(雌しべ)は長く、ゆるく曲がります。

6月8日 江差町

葉身は長さ3~5cmで広楕円形~卵状楕円形です。質はやや硬くつやがあります。

長い柄があり、下部に集まってつきます。

5月26日 江差町

葉の縁には目立たない細かい鋸歯があり、葉先は丸いです。

5月19日 江差町

果実は径約7mmの蒴果になります。

10月31日 江差町
10月31日 江差町
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