ツジ科の植物は世界に約130属4200~4300種あるとされおり、9亜科に分かれます。
その中でスノキ亜科は約50属1600種で、約20属1800種を含むツツジ亜科と並んで大きな亜科です。
参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか
コメバツガザクラ属
同じツガザクラと名のつく植物でも、エゾノツガザクラやアオノツガザクラはツツジ亜科ツガザクラ属になります。
コメバツガザクラ
ツツジ目ツツジ科スノキ亜科コメバツガザクラ属
高さ3~10cmの常緑の矮性低木で、花期は5月下旬~7月です。亜高山~高山の岩場やれき地に生えます。



幹は地面を這い分枝して広がり、枝を立ち上げます。

葉は三枚が輪生します。葉身は長さ5~10mmの長楕円形で、質は硬くて光沢があり、縁は少し裏に巻きます。


花は枝先に3個ずつ下向きにつき、花冠は長さ4~5mmのつぼ形で先が浅く5裂します。


蒴果には花柱が残ります。

スノキ属
常緑または落葉低木で、鐘形の花冠の先が4~5裂し、果実は奬果で食用となるものが多いです。
アクシバ
ツツジ目ツツジ科スノキ亜科スノキ属
高さ20~50cmの落葉小低木で、花期は6月下旬~7月です。
山地の広葉樹林内に生え、よく枝を分けて横に広がります。


葉は長さ2~6cmの長卵形~披針形で短い柄があり、互生します。

葉の縁には細かい鋸歯があり、裏面は白っぽいです。

花は長い柄でぶら下がり、花冠は4深裂し裂片は外側に反り返ります。
雄しべは8本あり、うち4本は退化しています。花糸は短く、葯が長いです。





果実は5~6mmの球形の奬果で、8~10月に赤く熟し食用になります。




葉は秋になると赤紫色に紅葉します。

オオバスノキ
ツツジ目ツツジ科スノキ亜科スノキ属
高さ1m前後の落葉低木で、花期は6~7月です。
山地~亜高山の日当たりの良い場所に生えます。
花は前年枝の先に1~3個ぶら下がります。花冠は長さ6~7mmの鐘形で先は5浅裂します。

葉は長さ3~8cmの楕円形~広卵形で、先が尖り縁には細かい鋸歯があります。

コケモモ
ツツジ目ツツジ科スノキ亜科スノキ属
高さ5~10cmの常緑小低木で、花期は6~7月です。よく分枝してマット状に広がります。
亜高山~高山の岩れき地やハイマツ林下や林縁に生え、道北・道東では湿原や海岸近くにも生えます。


葉は長さ6~12mmの卵状楕円形で、全縁です。硬く光沢があります


新しい葉は赤みをおびます。

花は枝先に下向きに数個つき、花冠は長さ6mmほどの鐘形で先が4~5浅裂します。

雌しべは1本、雄しべは8(10)本あります。


果実は球形で径約7mm、8~9月に赤く熟します。

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ツルコケモモ
ツツジ目ツツジ科スノキ亜科スノキ属
高さ10cmほどの常緑の矮小低木で、花期は6~7月です。
湿原に生え、細い針金のような茎が地表を這って伸びます。


花冠は4深裂し、裂片は外側に反り返ります。雄しべは8本あります。

葉は長楕円形で長さ7~15mm、先は尖らず全縁です。

果実は径約1cmの球形で、赤く熟します。


ハナヒリノキ属
ハナヒリノキ
ツツジ目ツツジ科スノキ亜科ハナヒリノキ属
高さ50~120cmの落葉小低木で、花期は6~8月です。山地に生えます。


花は長さ10cmほどの穂に下垂します。


花冠は緑白色でつぼ形、径4mmほどです。

日当たりの良い場所では赤みをおびるようです。

花冠の先は浅く5裂し、雄しべは10本あります。


葉は楕円形~長楕円形で、長さ3~10cmです。縁に毛状の鋸歯があります。

葉の表面にはやや光沢があり、葉脈が浮き出ます。


果実は径4~5mmの扁球形の蒴果で、上を向いてつきます。



全草に毒を含む有毒植物で、誤食すると下痢や吐き気などの中毒症状を起こします。
葉の粉を吸うと激しいくしゃみが出るので、古語でくしゃみを意味するハナヒリの名前がついたそうです。
シラタマノキ属
シラタマノキ
ツツジ科スノキ亜科シラタマノキ属
よく分枝して横に広がる常緑小低木で、高さ10~30cm、花期は6~7月です。
亜高山~高山のれき地に生えます。
葉は楕円形で厚くて硬く光沢があり、表面の網目模様が目立ちます。
花冠はつぼ型で先が浅く5裂し、枝先に総状に1~6個つきます。

果実はさく果で、がくが膨らんでそれを包み径1cmほどです。色は白色~淡赤色です。
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アカモノ
ツツジ科スノキ亜科シラタマノキ属
高さ10~30cmの常緑小低木で、花期は6~7月です。
亜高山のれき地や草地に生えます。

葉は革質で広卵形、長さ2cm前後です。脈はへこみ、縁に波状の鋸歯があり先はやや尖ります。

花冠は鐘形で先が浅く5裂します。


果実は赤く熟し径8mmほどです。