ミズキ科の植物は、世界に2属約90種あるとされています。
近年の分子系統解析の結果、かつてミズキ科に属していたアオキ属はアオキ目アオキ科へ、ハナイカダ属はモチノキ目ハナイカダ科へ異動しました。
代わりにウリノキ科とされていた植物が、ウリノキ属としてミズキ科の中に入りました。
日本に自生しているミズキ科植物は、2属10種ほどになります。
北海道にはウリノキ属のウリノキ、ミズキ属のミズキ、ゴゼンタチバナ、エゾゴゼンタチバナが自生します。
また、ヤマボウシやアメリカヤマボウシが公園樹などとして植栽されています。
ウリノキ属
ウリノキ
ミズキ目ミズキ科ウリノキ属ウリノキ
高さ5mくらいになる落葉樹で、花期は6~7月上旬です。
山地の林内に生えます。
葉は長さ10~20cmと大型で互生し、3~5裂します。
裂片の先は長く伸び、葉身基部は湾入します。
葉柄の長さは4~10cmです。
この葉が野菜のウリの葉に似ていることから、ウリノキの名前がついたそうです。
花は白色で、葉腋に数個吊り下がります。
つぼみは円柱状で長さ約3cmです。
花弁は線形で6個あり、長さは3~3.5cmです。外側に反り返ります。
果実は楕円形で長さ7~8mmで、9~10月に紺色に熟します。
ミズキ属(サンシュユ属)
ミズキ
ミズキ目ミズキ科ミズキ属ミズキ
高さ15~20mになる落葉樹です。
枝は階段状になり、独特の樹形をしています。
葉は枝先に集まって互生し、広卵形~楕円形です。全縁で先は尖ります。
葉柄は2~5cmあり、やや長いです。
花は5月下旬~6月に開花します。花序にまとまって多数つき、径7mmほどです。
花弁は普通4枚あります。
ゴゼンタチバナ
ミズキ目ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ
高さ5~15cmになる常緑性多年草で、花期は6~7月です。
山地の針葉樹林帯やハイマツ帯、湿地に生えます。
地中に根茎が伸びて群生します。
径2.5mmほどの小さな花が、大きな4枚の花弁状の苞に包まれて多数つきます。
花弁と雄しべは4個、雌しべは1個あります。
葉は倒卵形で長さ3~6cm、茎頂に輪生状に4枚つき、花をつける茎には6枚つきます。
果実は球形で径5~8mmほどで、赤く熟します。
白山の「御前峰」で発見され、赤い実が橘(ミカン科)の実に似ていることから、ゴゼンタチバナの名前がついたそうです。