奥尻島に咲くランの花

奥尻島

オクシリエビネ、シュンラン、サルメンエビネなど、奥尻島で見ることができたラン科植物10種類について紹介します。

並び順は大まかに春~夏~秋と季節の順になっています。

シュンラン

シュンランはラン科シュンラン属の多年草です。花の時期は4~5月で、春一番に咲くランの花になります。

樹木の葉がまだ空を覆っていない、明るい春の林床で咲く花です。

シュンラン
4月19日

花の中に赤紫色の斑点があるので、別名「ホクロ」とも呼ばれています。

シュンラン
4月19日

高さは10-20cmほどで、背の低いランです。

シュンラン横
4月19日


細くて長い葉も特徴的で、幅1cm弱の葉は長さが20-35cmにもなります。

シュンラン
4月19日

下の写真は5月10日に撮影したものです。このように他の草が周りに生え始めると、なかなか見つけられないです。

シュンラン
5月10日

サルメンエビネ

サルメンエビネはラン科エビネ属の多年草です。花の時期は5~6月になります。

高さ30-50cmの背の高いランです。

サルメンエビネ
6月3日

群落を上から見た様子です。葉にくっきりとした縦ジワがあります。

サルメンエビネ
6月3日

花の下部が赤くてサルの顔に似ていることから、この名前がつきました。

サルメンエビネ
6月3日

サルの顔にはなかなか見えずらいですが、笑っている顔のように見えるサルメンエビネの花です。

サルメンエビネ
5月10日

サイハイラン

サイハイランは、ラン科サイハイラン属の多年草です。花の時期は5月下旬~6月になります。

高さ30-50cmの背の高いランです。

サイハイラン
6月14日

花は片側に、ほぼ同じ方向を向いて付いています。別の個体でも同じ方向を向いているのは、光の射す方向だからでしょうか?

サイハイラン
6月14日

サイハイランの名前は「采配を振るう」の采配に似ているからだそうです。

サイハイラン
6月14日

コケイラン

コケイランは、ラン科コケイラン属の多年草です。花の時期は6~7月になります。

高さ30-40cmのやや背の高いランで、6月になればよく見かける花です。

6月7日

径1cmほどの小さな花を多数つけます。コケイランの名前は、別種のラン、ケイランに葉の形が似ていることから付いたそうです。

6月7日

クモキリソウ

クモキリソウは、ラン科クモキリソウ属の多年草です。花の時期は6~7月になります。

高さは15-25cmで、背が低めのランです。

クモキリソウ
7月7日

花の色は薄い黄緑色で、目立たないラン科植物です。

クモキリソウ
7月7日

カキラン

カキランはラン科カキラン属の多年草です。花の時期は7~8月になります。

高さ30-60cmの背の高いランで、日当たりの良い湿った場所に生えます。

カキラン
7月26日

花の大きさは1cmくらいです。カキランの名前は、花の色が柿色であることから付きました。

カキラン
7月26日

オクシリエビネ

オクシリエビネは、ラン科エビネ属の多年草です。本州以南に生えるナツエビネの変種で、違いは葉の裏面に短毛があることとされています。

高さ20-40cmで、花の時期は8月の1ヶ月間と短いです。私が観察したオクシリエビネも8月初めに開花し、8月の中旬を過ぎるとほぼしおれていました。

7月29日、蕾の状態のオクシリエビネです。

オクシリエビネつぼみ
7月29日

一週間後の8月5日、花が咲き始めていました。

オクシリエビネ
8月5日

さらに6日後の8月11日、ほとんどの花が咲いています。

オクシリエビネ
8月11日
オクシリエビネ正面アップ
8月11日
オクシリエビネ横側アップ
8月11日

さらに8日後の8月19日、花は茶色くなってしおれていました。開花しているのは2週間くらいのようです。

オクシリエビネしおれた花
8月19日

オオヤマサギソウ

オオヤマサギソウはラン科ツレサギソウ属の多年草です。花の時期は7月下旬~8月になります。

高さは40-60cmで、小さな白い花を多数つけます。(8月12日撮影)

8月12日

オオヤマサギソウの名前は別種のサギソウに似ていることから付いたらしいですが、花はサギというよりクリオネに見えます。

8月12日

アケボノシュスラン

アケボノシュスランはラン科シュスラン属の多年草です。花の時期は8~9月になります。

高さ5-10cmの小さなランです。(8月30日撮影)

8月30日

アケボノという名前は、花の色が曙色をしていることから付いたそうです。シュスは葉の模様が繻子織の布に似ていることからだとか。

8月30日 

ミヤマウズラ

ミヤマウズラはラン科シュスラン属の多年草です。花の時期は8~10月になります。

高さ10-20cmの小さなランです。(8月30日撮影)

同じシュスラン属のアケボノシュスランと、花の形が似ています。

8月30日

花の大きさは1cmくらいです。ミヤマウズラの名前は、葉の形と模様がウズラの羽に似ていることから付きました。

8月30日

以上、奥尻のラン科植物10種でした。私が見つけてここに紹介できたものはほんの一部で、実際はこの倍から3倍ほどの種類が生えているようです。

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