アブラナ科の植物は、世界に約350属3650種ほどあるとされています。
キャベツ、ブロッコリー、小松菜、白菜、大根などおなじみの野菜や、香辛料のワサビはアブラナ科の植物です。たくさん食べるとガン予防効果があるそうです。
各4枚の花弁とがく片、6本の雄しべがアブラナ科の花の特徴です。
ハマハタザオ属
ハマハタザオ
アブラナ目アブラナ科ハマハタザオ属ハマハタザオ
高さ20~50cmの2年草で、花期は5~6月です。
海岸の砂地や岩地に生えます。
全体に星状毛と短毛があり、茎を1~数本立てます。
根出葉が倒披針形で重なり合うようにつきます。
茎葉は先が丸く株が広い長楕円形で、基部は茎を抱きます。
花はやや大きく、4枚の花弁の長さは1cm近いです。
雄しべは6本、雌しべは1本あります。
長さ5cm前後の長角果は、花序の軸にくっつくように直立します。
ヤマハタザオ
アブラナ目アブラナ科ハマハタザオ属ヤマハタザオ
高さ25~80cmの2年草で、花期は6~7月です。
山地の明るい林内に生えます。
花はまばらにつき、4枚の花弁の長さは4mmほどです。
葉は長楕円形へら形で星状毛と短毛があり、縁には波状の鋸歯があります。
オニハマダイコン属
オニハマダイコン(帰)
アブラナ目アブラナ科オニハマダイコン属オニハマダイコン
高さ20~40cmの1~2年草で、花期は6~8月です。
北アメリカ原産の帰化植物で、海岸の砂地に生えます。
全体に多肉質で、白身を帯びた緑色をしています。
茎は株で分枝して株立ち状になります。
花は枝先や葉腋から出る花序につき、径8mmほどです。
花弁は4枚、雄しべは6本あります。
タネツケバナ属
タネツケバナ
アブラナ目アブラナ科タネツケバナ属タネツケバナ
高さ10~30cmの2年草で、花期は4月下旬~5月です。
湿り気のある道端などに生えます。
葉は頂小葉が少し大きい羽状複葉で、側小葉は長楕円形です。
花弁は4枚あり、長さ3~4mmです。雄しべは6本あります。
お米の種もみを水に浸すころに花が咲き出すことから、タネツケバナの名前がつきました。
オオタネツケバナ
アブラナ目アブラナ科タネツケバナ属オオタネツケバナ
高さ20~50cmの多年草で、花期は4月下旬~5月です。
山地のやや湿った場所に生えます。
葉は羽状複葉で、頂小葉は側小葉より大きいです。
花はタネツケバナよりも大きく、花弁の長さは4~6mmです。
オオバタネツケバナ
アブラナ目アブラナ科タネツケバナ属オオバタネツケバナ
高さ10~50cmになる多年草で、花期は5~6月です。
湿地や沢沿いに生えます。
葉は奇数羽状複葉で、側小葉は1~4対あり、頂小葉には切れ込みが入ります。
花はあまり平開せず、花弁は長さ4mmほどです。
アイヌワサビ
アブラナ目アブラナ科タネツケバナ属アイヌワサビ
高さ30~80cmになる多年草で、花期は5~7月です。
山地の沢沿いに生えます。
葉は奇数羽状複葉で、小葉は5~11枚つきます。
花は径1.3cmほどで、花弁は4枚です。
太い茎が直立します。
エゾワサビ
アブラナ目アブラナ科タネツケバナ属エゾワサビ
下部が地表を這って立ち上がる多年草で、茎の長さは20~50cmになります。
花期は5~7月で、山地の沢沿いに生えます。
葉は複葉または単葉で、径4~5cmです。円~三角状の切れ込みが入ります。
茎の上部につく葉は単葉で、やや深く切れ込んでいます。
花は総状に多数つき、径1.2cmほどです。
がく片と花弁が4枚、雄しべが6本、雌しべが1個あります。
コンロンソウ
アブラナ目アブラナ科タネツケバナ属コンロンソウ
高さ40~70cmになる多年草で、花期は5~6月です。
低地~山地の林内や林縁に生え、地下茎が伸びて群生します。
花は径1cmほどで、がく片と花弁が各4枚あります。
雄しべは6本あり、うち2本は短いです。
葉は羽状複葉で小葉は2~3対あり、頂小葉の長さは6~7cmです。
広披針形で粗い鋸歯があります。
果実は長角果で、長さは2cmほどになります。
ワサビ属
ワサビ
アブラナ目アブラナ科ワサビ属ワサビ
高さ20~40cmになる多年草で、花期は4月下旬~6月上旬です。
葉にはやや光沢があり、根出葉が特に大きく円心形で長さ5~10cmです。
長い柄があり、茎葉は心形で上部ほど小さくなります。
花は径1cmほどで、花弁とがく片が各4枚あります。
雄しべは6本のうち4本が長いです。
イヌガラシ属
イヌガラシ
アブラナ目アブラナ科イヌガラシ属イヌガラシ
高さ50cmほどになる多年草で、花期は5~10月です。
道端や空き地に生えます。
葉はおおむね長楕円形で、粗い鋸歯縁になるか羽状に分裂します。
花は径5mmほどで、雄しべが6本、がく片と花弁が各4枚あります。
果実は棒状で長さ1.5~2cm、内側にゆるく曲がります。