ゴマノハグサ科の植物は、世界に約60属1900種ほどあるとされています。
旧ゴマノハグサ科は、クワガタソウ属やウンラン属、ミゾホオズキ属などを含む大きな科でした。しかし近年のDNA分析による新分類(APG分類体系)により多くの属が他科に異動し、新ゴマノハグサ科は小さな科となりました。
道内に自生するゴマノハグサ科植物は、キタミソウとヒナノウスツボの仲間のみです。帰化種では、モウズイカの仲間が道端や空き地などに生えています。
参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか
ゴマノハグサ属
エゾヒナノウスツボ
シソ目ゴマノハグサ科ゴマノハグサ属
太い茎が斜上して長さが50~150cmになる多年草で、花期は6~8月です。海岸近くの山すそに生えます。


茎には翼のある4稜があります。葉は対生し、長さ8~20cmの三角状卵形で質は厚く、基部は翼となって茎に流れます。


花は円錐状に多数つき、花冠は長さ12~15mmです。



2唇形で上唇は浅く2裂し、下唇は3裂します。雄しべは4本あります。

がくは5裂し、がく裂片の先は円いです。




花序には腺毛があります。

モウズイカ属
ビロードモウズイカ(帰)
シソ目ゴマノハグサ科モウズイカ属
高さ60cm~2mになる2年草で、花期は7~9月です。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や荒れ地に生えます。

花は茎の上部に密について下から咲き上がります。
花冠の径は約2cmで、先が5裂します。

雄しべ5本のうち、3本は長く毛が生えます。雌しべは1本です。

根出葉はロゼット形で長さ30cmほどになり、茎葉の基部は翼となって茎に流れます。


全体が灰白色の星状毛によって包まれており、ビロードの感触があることからビロードの名前がつきました。モウズイカは毛蕊花と書き、雄しべに毛がある花という意味です。
シロバナモウズイカ(エサシソウ;帰)
シソ目ゴマノハグサ科モウズイカ属
高いもので1mを超える2年草で、花期は6~8月です。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や空き地に生えます。


葉は変異が大きいですがおおむね長楕円形で、浅い鋸歯があり、上部の葉には柄がありません。

花は長い総状花序につき、下から咲き上がります。

花冠は深く5裂して花弁状になります。雄しべは5本あり、紫色の毛が生えます。



