キク類シソ目ゴマノハグサ科の植物

シソ目

ゴマノハグサ科の植物は、世界に約60属1900種ほどあるとされています。

旧ゴマノハグサ科は、クワガタソウ属やウンラン属、ミゾホオズキ属などを含む大きな科でした。しかし近年のDNA分析による新分類(APG分類体系)により多くの属が他科に異動し、新ゴマノハグサ科は小さな科となりました。

道内に自生するゴマノハグサ科植物は、キタミソウとヒナノウスツボの仲間のみです。帰化種では、モウズイカの仲間が道端や空き地などに生えています。

参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか

ゴマノハグサ属

エゾヒナノウスツボ

シソ目ゴマノハグサ科ゴマノハグサ属

太い茎が斜上して長さが50~150cmになる多年草で、花期は6~8月です。海岸近くの山すそに生えます。

エゾヒナノウスツボ
2025.6.20 江差町
エゾヒナノウスツボ
2025.6.18 江差町

茎には翼のある4稜があります。葉は対生し、長さ8~20cmの三角状卵形で質は厚く、基部は翼となって茎に流れます。

エゾヒナノウスツボ
2025.6.18 江差町
エゾヒナノウスツボ
2025.6.19 江差町

花は円錐状に多数つき、花冠は長さ12~15mmです。

エゾヒナノウスツボ
2025.6.18 江差町
エゾヒナノウスツボ
2025.6.18 江差町
エゾヒナノウスツボ
2025.6.18 江差町

2唇形で上唇は浅く2裂し、下唇は3裂します。雄しべは4本あります。

エゾヒナノウスツボ
2025.6.19 江差町

がくは5裂し、がく裂片の先は円いです。

エゾヒナノウスツボ
2025.6.19 江差町
エゾヒナノウスツボ
つぼみ 2025.6.20 江差町
エゾヒナノウスツボ
2025.6.20 江差町
エゾヒナノウスツボ
花後 2025.6.19 江差町

花序には腺毛があります。

エゾヒナノウスツボ
2025.6.19 江差町

モウズイカ属

ビロードモウズイカ(帰)

シソ目ゴマノハグサ科モウズイカ属

高さ60cm~2mになる2年草で、花期は7~9月です。

ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や荒れ地に生えます。

ビロードモウズイカ
8月12日 江差町

花は茎の上部に密について下から咲き上がります。

花冠の径は約2cmで、先が5裂します。

ビロードモウズイカの花
7月7日 奥尻町

雄しべ5本のうち、3本は長く毛が生えます。雌しべは1本です。

ビロードモウズイカの花
8月12日 江差町

根出葉はロゼット形で長さ30cmほどになり、茎葉の基部は翼となって茎に流れます。

ビロードモウズイカのロゼット葉
8月12日 江差町
ビロードモウズイカの葉
8月12日 江差町

全体が灰白色の星状毛によって包まれており、ビロードの感触があることからビロードの名前がつきました。モウズイカは毛蕊花と書き、雄しべに毛がある花という意味です。

シロバナモウズイカ(エサシソウ;帰)

シソ目ゴマノハグサ科モウズイカ属

高いもので1mを超える2年草で、花期は6~8月です。

ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端や空き地に生えます。

シロバナモウズイカ
7月9日 江差町
シロバナモウズイカ
7月24日 厚沢部町

葉は変異が大きいですがおおむね長楕円形で、浅い鋸歯があり、上部の葉には柄がありません。

シロバナモウズイカ 葉
7月9日 江差町

花は長い総状花序につき、下から咲き上がります。

シロバナモウズイカ
7月9日 江差町

花冠は深く5裂して花弁状になります。雄しべは5本あり、紫色の毛が生えます。

シロバナモウズイカ 花
7月9日 江差町
シロバナモウズイカ 花
7月24日 厚沢部町
シロバナモウズイカ
7月9日 江差町
シロバナモウズイカ 果実
果実 8月21日 江差町
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