ブドウ科の植物は、世界に約15属850~900種あるとされています。
ブドウ科はかつてクロウメモドキ目に属していましたが、DNA解析による新分類(APGⅢ)で、ブドウ目ブドウ科となりました。ブドウ目に属する科はブドウ科だけです。
ブドウ科植物で日本に自生するのは、ブドウ属、ノブドウ属、ヤブカラシ属、ハマヤブカラシ属、ウドカズラ属、ツタ属、ミツバミンボウカズラ属になります。
北海道に自生するのは、ブドウ属のエビヅル、ヤマブドウ、サンカクヅル、ノブドウ属ノブドウ、ヤブカラシ属ヤブカラシ、ツタ属ツタです。
このうちヤブカラシはつる性の多年草で、他の5種の植物はつる性の木本植物になります。
果実が食用になるのは、ブドウ属のものだけです。
ノブドウ属
ノブドウ
ブドウ目ブドウ科ノブドウ属ノブドウ
つる性の落葉低木で、花期は7~9月です。
野山や海岸の陽当たりの良い場所に生えます。
茎は赤みをおび、長さ2mほどです。
葉は互生し、長さ6~12cmです。葉先は3~5浅~中裂しますが、裂けないこともあります。
葉の基部は心形で、縁には鋸歯があります。
花序は葉と対生し、径4~5mmほどの花を多数つけます。
花弁と雄しべは5個ありますが早くに落ちます。
果実は径6~8mmで、9~10月に成熟します。
果実の色は赤・紫・青・緑と様々ですがこれらは全て虫こぶで、正常な実ではありません。食べることもできません。
ブドウ属
ヤマブドウ
ブドウ目ブドウ科ブドウ属ヤマブドウ
落葉つる性木本で、他の木に絡みついて伸びます。
雌雄異株で、花期は6月です。
葉には長い柄があり、葉身は五角状円心形で3~5裂します。基部は深い心形です。
花は雄花と雌花があり、円錐花序に多数つきます。
雄花の雄しべは5本あり、雌しべは退化しています。
雌花にも雄しべは5本ありますが、雄花のものと比べて短く、退化しています。
花弁とがく片は開花と同時に脱落します。