ツツジ科は約130属4200~4300種を含む大きな科ですが、APG分類体系によるとさらに9つの亜科に分類されます。
その9つの亜科の中で最初に枝分かれし、他の全ての亜科の姉妹群となるのがドウダンツツジ亜科です。
ドウダンツツジ亜科はドウダンツツジ属1属からなり、世界で16種、日本国内で6種ほど分布するとされています。
その中でも北海道に自生するのは、道南地方に分布するサラサドウダンのみです。
ドウダンツツジ属
サラサドウダン
ドウダンツツジ亜科ドウダンツツジ属サラサドウダン
高さ1~4mになる落葉低木で、山地に生えます。
北海道の南部、本州の近畿以東、四国の一部に分布します。
花期は5月下旬~6月で、10個以上の花が枝先の花序から長い柄でぶら下がります。
花冠は長さ1~1.5cmの鐘形で、先が5裂して径1cmほどになります。
雄しべは10本あります。
葉は枝先に輪生状につきます。
葉身は肉厚で、長さ3~6cmの倒卵形~広楕円形です。
葉の基部はくさび型で、縁には細かい鋸歯があります。
果実は蒴果で上向きにつき、5裂して種子を飛ばします。
枝分かれの様子が灯台(昔の室内照明)の脚の部分に似ていたことから、トウダイが転じてドウダンの名前がついたとされています。
サラサは、花に紅色のスジが入り、その様子が更紗と呼ばれる布の模様に似ていることからきているそうです。