ハエドクソウ科の植物は、世界に13属約190種あるとされています。シソ科に比べて小さな科です。
日本国内には、ミゾホオズキ属とハエドクソウ属、ズズメノハコベ属の3属が自生しています。
かつてゴマノハグサ科だったサギゴケ属は新分類(APG体系)になってハエドクソウ科に一時分類されていましたが、さらに解析が進んだ結果サギゴケ科として独立しました。
ハエドクソウ属
ハエドクソウ
シソ目ハエドクソウ科ハエドクソウ属ハエドクソウ
高さ40~70cmの多年草で、花期は7~8月です。
低地~山地の林内や林縁に生えます。
葉は対生し、長楕円形~卵形で質は薄く鋸歯があります。
花は穂状にややまばらにつきます。2唇形で、小さな上唇は2裂、大きな下唇は3裂します。
雄しべは4本、雌しべは1本で、がくは5裂します。
花冠の長さは5mmほどで横向きに咲き、果期には下向きに茎に着くようになります。
5裂したがく裂片のうち上の3本が長く、鉤状に曲がり動物に付着して運ばれます。
絞り汁を紙にしみ込ませてハエ取り紙としたことから、ハエドクソウの名前がつきました。
ミゾホオズキ属
ミゾホオズキ
シソ目ハエドクソウ科ミゾホオズキ属ミゾホオズキ
高さ10~30cmの多年草で、花期は6~8月です。
林内の湿地に生えます。
葉は卵形で、長さ1.5~4cmです。短い柄があり、対生します。
花は上部の葉腋につき、花冠はラッパ形で長さ1.5cm、径1cmほどです。
花冠は5裂し、雄しべが4本、雌しべが1本あります。
花後、がくがホオズキ状になって果実を包みます。
溝のような湿った場所に生え、果実がホオズキの形に似ていることから、ミゾホオズキの名前がつきました。
オオバミゾホズキ
シソ目ハエドクソウ科ミゾホオズキ属オオバミゾホオズキ
高さ20~50cmになる多年草で、花期は7~8月です。
山地~亜高山の湿地に生えます。
葉は長さ8cmほどで柄が無く、鋭い鋸歯があります。
花冠は長さ2.5cm、径2.5cmほどになりミゾホオズキよりも全体的に大型です。