モクセイ科の植物は、世界に24属約790種あるとされています。木本またはつる性の植物からなる科です。
キンモクセイやジャスミン、ライラックなど芳香を楽しむために栽培される種が多く、オリーブオイルを採取するオリーブの木もモクセイ科植物です。
道内には、ヤチダモやアオダモ、ハシドイ、イボタノキなど数種が自生します。
参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「新北海道の花」梅沢俊 ほか
トネリコ属
アオダモ(コバノトネリコ)
シソ目モクセイ科トネリコ属アオダモ
高さ10~12mになる落葉樹で、山地に生えます。


葉は奇数羽状複葉で長さ10~15cmで対生します。小葉は3~7あり、縁には鋸歯があります。


花期は5月下旬~6月です。雌雄異株で、円錐花序に白い花を多数つけます。

花冠は4全裂して長さ7mmの線形です。

両性花には2本の雄しべと1本の雌しべ、雄花には2本の雄しべがあります。
この花には雌しべらしきものが見えるので、両性花だと思います。




樹皮は灰色で平滑です。

材は硬くて強く粘りがあり、バットやテニスラケットなどのスポーツ用品に用いられます。
イボタノキ属
イボタノキ
シソ目モクセイ科イボタノキ属イボタノキ
高さ3m前後の落葉樹で、花期は7月です。
山地~低地の林内に生えます。

枝先に長さ2~4cmの総状花序を出し、密に花をつけます。

花冠は長さ7~9mm、筒状漏斗形で先は4裂します。

雄しべは2本ありよく目立ちます。



葉は長楕円形で長さ2~7cmで対生します。
葉の先は尖りません(近似種ミヤマイボタは尖ります)。

果実はほぼ球形で、径7mmほどです。10~11月に黒紫色に成熟します。


イボタノキの名前の由来は、木に寄生する虫が出す分泌物がイボを取るのに利用されていたことから「イボトリノキ」と呼ばれ、それがなまって「イボタノキ」となったそうです。