ハマウツボ科の植物は、世界に約100属2100種あるとされています。
日本のハマウツボ科植物は、旧分類では全寄生性の植物のみでした。しかし近年のDNA分析によるAPG分類体系では、旧ゴマノハグサ科に所属していた半寄生性の植物が多数この科に含まれるようになりました。
シオガマギク属
シオガマギク属の植物は半寄生の一年草または多年草で、イネ科植物に寄生します。全ての栄養分を宿主に依存するのでは無く、光合成も行っています。
花冠は唇形で雄しべが4本あるところが、シソ科の植物の花に似ています。
エゾシオガマ
シソ目ハマウツボ科シオガマギク属エゾシオガマ
高さ20~60cmの多年草で、花期は7~8月です。
山地~亜高山の草原や尾根筋に生えます。
花時には根出葉は無く、茎葉は互生します。葉は三角状披針形で、長さ3~6cmです。縁には二重の鋸歯があります。
花は茎の上部に穂状につき、花冠は長さ2cmほどです。
花冠は2唇形で上唇は鎌状に曲がり先はくちばし状に尖ります。下唇は斜めに傾いて幅が広く、先が3裂します。
ヨツバシオガマ
シソ目ハマウツボ科シオガマギク属ヨツバシオガマ
高さ20~60cmの多年草で、花期は6月中旬~8月です。
亜高山~高山の草地に生えます。
葉は4枚、時に3~6枚が数段輪生します。葉身は三角状広披針形で羽状全裂し、裂片には浅い切れ込みがあります。
花序は細毛が密生し、花が4個ずつ7~12段輪生します。花冠は2唇形で、上唇は鋭い嘴状となって下に曲がります。
キヨスミウツボ属
キヨスミウツボ
シソ目ハマウツボ科キヨスミウツボ属キヨスミウツボ
長さ10cmほどの茎の大部分が地中にある寄生植物で、花期は7月です。
寄主は落葉広葉樹で、山地の落葉広葉樹林下に生えます。
葉緑素を持たず葉は退化し、白い鱗片状をしています。
花は茎の先に数個つき、筒状で長さ2~2.5cmです。2唇形で上唇は2裂し、下唇は3裂します。
雄しべは4本、雌しべは1本あります。
千葉県清澄山で初めて見つかり、花の形が矢を入れるうつぼに似ていたことから、キヨスミウツボの名前がつきました。