イチイ科の植物は、世界に6属32種あるとされています。日本にはイチイ属、イヌガヤ属、カヤ属の3属が分布します。
イチイ科の植物は裸子植物です。裸子植物は被子植物よりも起源の古い植物で、ソテツ目、イチョウ目、マツ目、ヒノキ目などが含まれます。
裸子植物の雄花や雌花には被子植物のような花弁やがく片が無く、胚珠が子房に包まれていません。
参考図書 「新維管束植物分類表」米倉浩司 「北海道樹木図鑑」佐藤孝夫 ほか
イチイ属
イチイ
ヒノキ目イチイ科イチイ属イチイ
別名オンコ、アララギ。高さ10~15mになる常緑樹で、しばしば低木状になります。

材は緻密で光沢があって美しく、家具や彫刻などに用いられます。

葉は線形で長さ1.5~3cm、幅2~4mmです。らせん状につきますが側枝では左右に2列に並びます。

花は雌雄異株で、4~5月に開花します。
雌株♀
雌花は淡緑色~淡緑褐色で長さ2.5mmの広卵形です。




果実は広卵形で径約8mmです。9~10月に仮種皮が赤く熟します。



雄株♂
雄花は黄褐色で径約3mmの球形です。





イヌガヤ属
ハイイヌガヤ
ヒノキ目イチイ科イヌガヤ属ハイイヌガヤ
高さ1~2mの常緑樹で、イヌガヤの変種です。多雪地帯の林床に生えます。
葉は線形で長さ2~4cm、枝の左右に2列に並びます。


雌雄異株で、雄花序は黄褐色で径約8mmの球形、雌花序は淡緑色で長さ約5mmです。4~5月に開花します。


