豊かなブナの森林に覆われている北海道奥尻島。
奥尻21世紀復興の森は、そんな奥尻ブナ林の魅力がつまっている場所です。
フェリーターミナルから車で15分ほどの場所にあり、遊歩道が整備されているので気軽に森の中を散策できます。
復興の森で4~5月に見ることができる花々を紹介します。
案内版に示された矢印の方向に進んで行きます。
赤いペンキがついているブナの木の横が、散策路の入り口です。
復興の森の中に入って行きます。
4月に森の中で水色の花を見かけたら、それはきっとエゾエンゴサク(ケシ科)です。林内の湿った場所によく生えています。
エゾエンゴサクは水色の花が多いですが、たまに紫色や白色の個体もあります。
4月下旬~5月上旬、赤紫色の花を咲かせているのはエンレイソウ(シュロソウ科)です。3枚のがく弁、3枚の葉が特徴的です。
スミレの仲間の中でもミヤマスミレ(スミレ科)の開花は早く、開花時期は4月下旬~5月上旬になります。高さ5cmくらいの小さなスミレです。
ナガハシスミレ(スミレ科)は距(花の後ろのでっぱり)が長いスミレです。5月上~中旬に咲きます。
スミレサイシン(スミレ科)は花も葉も大きめのスミレです。林内の湿った場所に5月上~中旬に咲きます。
湿った場所に生えているコケを観察してみるのもまた楽しいです。
ヒメイチゲはキンポウゲ科の小さな花です。4月下旬~5月上旬に咲きます。
ヒメイチゲは湿った場所に咲く花で、この花はコケの中に生えていました。
大きなフキのような葉を持ったサンカヨウは、メギ科の植物です。花の時期は5月上旬~中旬です。
サンカヨウの葉の大きさは30cmほど、背の高さも30cm以上になります。
林床に咲く白いカタバミはヒョウノセンカタバミ(カタバミ科)です。もしかしたら近似種コミヤマカタバミカタバミかもしれません。
ヒョウノセンカタバミの花の時期は5月上~中旬です。晴れた日は上を向いて、雨が降る日は下を向いて咲いています。
1cmほどの白い小さな花を咲かせているのはツバメオモト(ユリ科)です。花の時期は5月上~中旬です。
ツバメオモトは、葉がオモトに似ていることからその名前がつきました。ツバメの名は実の色がツバメの色に似ているだからとか、諸説あります。
チゴユリ(チゴユリ科)は稚児のようにかわいいユリであることから、その名前がつきました。花の時期は5月上~中旬です。
チゴユリがいつも下を向いて咲いているのは、下向きの花を得意とするハナバチに来てもらうためです。
クルマバソウ(アカネ科)は5月から6月にかけて咲いている花です。
クルマバソウは地下茎を伸ばして群生していることが多いです。
鶴が舞っている姿に似たマイヅルソウ(キジカクシ科)も、5月から6月にかけて咲いています。
マイズルソウも地下茎を伸ばして増える植物です。よく大群落を作っています。
チゴユリとよく似た姿をしているこの花はホウチャクソウ(チゴユリ科)です。花の時期は5月中旬~6月上旬です。
ズダヤクシュ(ユキノシタ科)は白くて小さな花です。花の時期は5月中旬~6月上旬です。
ズダヤクシュの花の大きさは3mmくらいです。喘息(ズダ)の薬になることから、その名前がついたそうです。
4月下旬~5月上旬、ブナをはじめとする森の木々が葉を開きます。葉を開くと同時に花を咲かせる樹木も多いです。
オオカメノキ(ガマズミ科)はアジサイのような白い花を咲かせます。名前のとおり、亀の甲羅のような葉をつけています。
イタヤカエデ(ムクロジ科)はクリーム色の花を咲かせます。
ハウチワカエデ(ムクロジ科)は赤色の花です。
ブナ(ブナ科)の花は風媒花なので地味です。上向きの黄緑色の花が雌花、下向きの茶色の花が雄花です。
復興の森で見ることができるブナの巨木です。この写真は2008年のもので、今は少し姿が変わっています。
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