8月のアポイ岳に咲く花

道南を離れて

アポイ岳は北海道様似町にある標高810mほどの山です。

山全体がかんらん岩という超塩基性の岩でできていることから森林限界が低く、高山植物の宝庫となっています。

私がアポイ岳を訪れたのは2006年8月12日。その時に撮影した花を紹介します。

はじめの方は森の中を歩く登山です。

途中、シャクナゲの林を抜けて行きます。

ぽつりぽつりとハクサンシャクナゲツツジ科)が咲いていました。

ハクサンシャクナゲ
ハクサンシャクナゲ(ツツジ科)

赤い実はゴゼンタチバナのものでしょうか?

ゴゼンタチバナの実?
ゴゼンタチバナの実?

歩き始めて1時間30分ほどで森林限界に達します。

ここからは見晴らしも良く、高山植物が楽しめるようになります。

ハイマツの中に咲く黄色い花は、バラ科の低木キンロバイです。

キンロバイ
キンロバイ(バラ科)
キンロバイの花

オヤマソバタデ科の植物です。

オヤマソバ
オヤマソバ(タデ科)

チャボヤマハギマメ科の低木です。超塩基性の山地に生える種です。

チャボヤマハギ
チャボヤマハギ(マメ科)

平地にも生えていて馴染みのある花、ツリガネニンジンキキョウ科)やネジバナラン科)も見かけました。

モイワシャジン
ツリガネニンジン(キキョウ科)
ネジバナ
ネジバナ(ラン科)

エゾシオガマハマウツボ科の植物です。ラン科のハクサンチドリに姿かたちが似ているような気がします。

エゾシオガマ
エゾシオガマ(ハマウツボ科)

オオカラマツキンポウゲ科の植物です。

オオカラマツ
オオカラマツ(キンポウゲ科)

タカネヤハズハハコキク科)は超塩基性岩の山地に生える植物です。全体が綿毛に覆われています。

タカネヤハズハハコ
タカネヤハズハハコ(キク科)

ヒメエゾネギヒガンバナ科)はシロウマアサツキの変種です。

シロウマアサツキよりも茎頂に付く花数が少ないのが特徴です。

ヒメエゾネギ
ヒメエゾネギ(ヒガンバナ科)

ミヤマホツツジツツジ科の低木です。もう少し低地に生えるホツツジよりも背が低いです。

ミヤマホツツジ
ミヤマホツツジ(ツツジ科)

こんな場所にもウメバチソウニシキギ科)が。高山でも湿った場所に生えているようです。

ウメバチソウ
ウメバチソウ(ニシキギ科)

ミヤマワレモコウバラ科の植物です。同じワレモコウの白バージョン・ナガボノシロワレモコウよりも標高の高い場所に生えるそうです。

ミヤマワレモコウ
ミヤマワレモコウ(バラ科)
ミヤマワレモコウの花

エゾノハクサンボウフウエゾサイコといったセリ科植物も見かけました。

エゾノハクサンボウフウ
エゾノハクサンボウフウ(セリ科)
エゾサイコ
エゾサイコ(セリ科)

アポイマンテマナデシコ科)はアポイ岳の固有変種。超塩基性の山地に生える植物です。

アポイマンテマ
アポイマンテマ(ナデシコ科)

ヒダカトウヒレンキク科)は超塩基性岩に生えるアザミの仲間。

まだほとんどが蕾でこれから開花を迎えるようでした。

ヒダカトウヒレン
ヒダカトウヒレン(キク科)

チシマセンブリリンドウ科の植物です。今回の登山で一番美しいと思った花でした。

チシマセンブリ
チシマセンブリ(リンドウ科)
チシマセンブリの花
チシマセンブリの花

岩の間に生えるマツムシソウスイカズラ科)の花も綺麗でした。

マツムシソウ
マツムシソウ(スイカズラ科)
エゾマツムシソウ
マツムシソウの花

イブキジャコウソウシソ科の低木です。こんなに小さいのに木なんですね。

イブキジャコウソウ(シソ科)

サマニオトギリオトギリソウ科)も見つけました。サマニオトギリのサマニとはアポイ岳がある様似町からとったもの。このあたりでしか見られないオトギリソウの仲間です。

サマニオトギリ
サマニオトギリ(オトギリソウ科)

エゾノカワラマツバアカネ科の植物です。よく見ると、同じアカネ科のツルアリドオシやクルマバソウに花の形が似ています。

エゾノカワラマツバ(アカネ科)

ツリガネニンジンの仲間、モイワシャジンキキョウ科)はもう花が終わりかけでした。

モイワシャジン
モイワシャジン(キキョウ科)

歩き始めて約3時間後、アポイ岳山頂に着きました。森林限界は超えているはずなのに、なぜか山頂付近はダケカンバに覆われています。

ダケカンバ林
アポイ山頂

下山には2時間くらいかかりました。往復約5時間、色々な花を見ることができて楽しい登山でした。

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